第118回目「誰でもできるディベート入門講座」(西部直樹著)
<ポイント>
- 論理思考を身に付けるには
- 有効なプレゼンテーションとは
- 具体的な議論をする順番は
<対象となる人>
- ディベートとは何かをしりたい人
- 論理思考を身につけたい人
- 議論に勝ちたい人
<Principle(面白いこと3点)>
- 主張とは結論である
- AREA(エリア)の法則:具体的な議論をする順番
- 良い質問が議論を深める
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論理思考は問題解決をする方法として役に立つ。また、他人に対してだけでなく、自分自身に対して説得する場合にも、役に立つ。論理思考の一つの訓練方法がディベート。論理思考については、6月度のテーマとして何回かにわけて取り上げて行きたいと思います。
<抜粋>(かっこ内は私の意見)
(青(客観重要、まあ大事)、赤(客観最重要、すごく大事)、緑(主観大切、おもしろい))
1.ディベートとは
- ディベートで、論理的な議論をする思考能力とコミュニケーション・スキルを身につけることができる
- 論理的な思考能力:多角的な視点で、論理的にものごとを考え、考えたものを組み立てる能力
- コミュニケーション・スキル:的確な理解力・傾聴力と、適切な表現力
- ディベートによる訓練⇒話を分かりやすく伝えることができ、話す前の検討段階で多角的にみている分、隙のない論理を組み立てることも可能となる。また、相手の話にも的確に傾聴することができるようになる。
- ディベートの成立用件
- ①一つのテーマを論じる
- ②二手に分かれて論じる:自分の意見とは違う立場で考えることによって、多角的な視点を得ることができる
- ③ルールについて論じる
- ④第三者が判定を下す
2.論理の基本構造
- 主張とは結論のことである
- 議論の構造は、主張と根拠(データ、理由付け)によって成り立つ
- 主張の種類
- ①事実の主張
- ②価値の主張
- ③行動(政策)の主張
- 根拠の種類
- ①データ
- ②理由付け
- 条件と限定
- 主張とデータ・理由付けという三つの要素には、条件と限定が関わってくる
- 条件:主張を成り立たせるために付ける状況の説明のこと
- 限定:主張の確かさを表すもの
- データの確認:データをチェックするためのポイント
- 1.主張としっかり結びつくか?
- 2.信憑性は?
- 3.量は十分か?
- 4.最新のものか?
- 1.権威による理由付け
- 2.類推による理由付け
- 3.因果関係による理由付け
3.論理を展開する技術
- プレゼンテーションの前提
- 1.「何をいったか」ではなく「何が伝わったのか」
- 2.メンタルモデル−理解の構造をつかまえる
- 人は聞きたいように聞いてしまう
- 人は不安なまま、何も理解できない状態のままではいられないので、入ってきた情報を処理するための枠組み、メンタルモデルを作る
- メンタルモデルに沿って、関連する情報(経験した事柄、知識)が活性化される
- 1.ロードマップ:これから話すことの全体像を示す
- 2.ナンバリング:ポイント毎に番号を振り、それを聞き手に示す
- 3.ラベリング:話のポイント毎に簡単は見出し(タイトル)をつける
- 4.AREA(エリア)の法則:具体的な議論をする順番
- ①主張(assertion):「省エネになります」
- ②理由(reason):「なぜなら、日照時間を有効に利用できるからです」
- ③証拠(evidence):「資料を引用します。2001年6月の〜の発表では〜」
- ④主張(assertion):「以上のことから、省エネになることが証明できます」
-リンクマップ法:一口にいえばアイデアの整理方法
-
- 1.少し考える
- 2.図を書く:①とにかく書く、②キーワードだけを書く、③線でつなぐ、④関連も書く、⑤批判も書く
- 議論の展開方法(肯定側)
- 問題解決型の展開:①現状の問題、②問題の原因(内因性)、③プラン(具体策)、④問題解決型、⑤副次的なメリット
- 問題解決型に対する議論展開:①問題ないしデメリットがある、②問題は認めるが違う方法がある
4.議論を深める
- 尋問−議論を深める質問の方法
- 1.質問の種類:①聞かれた質問、②閉じられた質問
- 2.何を聞くのか
- 3.どのように聞くのか:①一問一答でやりとりする、②質問だけをする、③答えを最後まで聞く
- 1.直接的反論:相手の根拠を崩すというのは、相手側の議論の根拠となるデータ、または理由付けが不十分であるということを証明して、主張が成り立たないと説明する
- 2.対抗議論:相手議論が間違いだという主張をし、その根拠(データ・理由付け)を持ってきて、こちらの議論のほうがより優位だということを証明する方法
- ターンアランド:相手議論をひっくり返すということ
- ①リンクターン:相手の議論の展開をひっくり返す方法。議論が違うところへ行くのだと説明すること。
- ②バリューターン:相手の議論の価値をひっくり返す方法。議論の価値をひっくり返すということは、メリットをデメリットに、弊害を利益に変えてしまうこと。
<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)
- こ(根拠):ディベートは、一つのテーマをもとにお互いが議論し、どちらの議論が論理的かを争うもの。従って、論理力が要求されるとともに、論理思考の練習になる。また、論理思考は、人を説得、納得させることにも繋がるテクニック。従って、プレゼンテーションにも役に立つ。
- れ(例):相手の主張をどう崩し、自分たちの主張の方が理にかなっているかを第三者に判断しもらうのがディベート。このため、論理の組み立て方、崩し方のテクニックがそこに存在する。朝までTVなど、見ていて面白いのはお互いの主張、議論の判定が視聴者ができることにあると思う。
- ゆ(ユニーク点):人は自分に都合が良いように物事をとらえてしまう。そして、理解できないままでは不安なので、自分なりの理解をしてしまう。また、議論を深めるには、質問の方法を知り、良い質問をすることが重要。
- か(仮説):質問については、質問そのものが論理的思考につながる。自分に対して、どのような質問をし、自問自答できるか。質問の質で論理思考やその人の考え方、行動が変わってくる。
- い(意見):ディベートは頭の体操、論理ゲーム。論理的なものの見方を身につければ、問題解決に非常に役立つ。まずは、議論を深める質問のテクニックを習得していきたい。
<気付き>
論理的に考えられるようになると、物事をより冷静に判断できる。また、論理的に説明することができれば、それだけ人の同意を得ることもできる。その一歩として、常に疑問をもち、自分に対する良い質問を心がけていきたい。
<今日の一言>
「質問力を鍛え、論理思考を高めていこう。」
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