第139回目「ナンバ走り 古武術の動きを実践する〜その2」(矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎共著)

<ポイント>

  • 井桁崩し
  • 体にエネルギーをためない
  • 肋骨を器用に使う

<対象となる人>

  • 格闘系スポーツをやっている人
  • 怪我の防止をしたい人
  • 古武術の動きに興味のある人

<Principle(面白いこと3点)>

  • 小魚な群れが一斉に方向転換する動き
  • 複数の支点で動くことで気配を察知されない
  • 体を細かく割る

So What?/True? (Answerは皆さんも考え下さい)>

  • 体を細かく割るとはどういうことなのだろうか。確かい格闘技では相手に察知されてしまうと威力のある攻撃ができない。気配を消すことは非常に重要な要素。どこからくるか分からない攻撃は有効(忍法でいうと影分身か)。ついつい力が入ると相手に察知されるが、訓練をつめば力を入れずにスピードと威力を兼ね備えた攻撃ができるのだろうか。

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<抜粋>(かっこ内は私の意見)
青(客観重要、まあ大事)赤(客観最重要、すごく大事)緑(主観大切、おもしろい)


3.打つ

  • 長嶋が実践していた打撃法「フルチン打法」:スイングの際のペニスの動きに着目→根元を視点としてヒンジ(蝶番)運動ではなく、ペニスの先が円を描くことなく、そのまま投手に向かって突き刺さるように伸びるような動きを探索⇔古武術的身体操作の奥義の一端を示したもの
  • ヒンジ運動=支店を固定することによって生じる円運動←車のワイパーの動き⇒スピードを伴うと、それなりの威力を生み出すことはできる
  • ボクシングや空手などの打撃系格闘技でも「ヒンジ運動」的攻撃は役に立たない⇒相手に攻撃の気配をいち早く察知され、防御の体制に入られてしまう。また、円運動のタイミングが悪いと打撃エネルギーが分散され、標的をとらえてもダメージを与えることができない。
  • 「井桁術理(井桁崩しの原理)」:体に固定した支店を作らず、骨格を変形させることで、複数の支点を作り出す。その複数の支点を一斉に動かすことによって、より効率的な動きを可能にする。⇒「小魚の群れが一斉に方向転換する」も、同じ意味である。
  • 「井桁崩し」的な動き⇒連鎖反応的に体をうねらせるのではなく、体全体を一斉に同じ方向へ移動させるもの
  • 「井桁崩し」:複数の支点ができることによって、相手に気配を察知されない
  • 長嶋以外にも「井桁崩し打法」を駆使している一流プレーヤー⇒ホークスの主砲・松中信彦
  • 「打つ」という動作における古武術的身体操作の基盤:「捻らず」「うねらず」「踏ん張らず」の三要素
  • 石渡俊彦(中嶋常幸を復活させた名コーチ)→体を捻らずに打つ←「踏ん張り」を消すことで右腰をスムーズに送り出すスイングは、ゴルフ以外のスポーツにもその有利性を見て取れる

4.殴る、抜く

  • 甲野氏(武術の達人):速さとダメージを同時並行的に与えることができる身体操作→「小魚の群れの泳ぎ」→イルカやクジラ:海の中で方向展開すると体がうねるから遅くなる⇔群れで泳ぐ小魚:方向転換するときは、サッと一瞬にしてやってしまう⇒要するに、体を細かく割って、その各部位を意識する。体の中に虫がぎっしりと蠢いている感覚。無数の割れた部分を一斉にある方向に向ける。その際、ほんの瞬間的に自分の体の中に急激にブレーキを掛ける。
  • 「うねり」や「ため」にない(遊びのない)動きを瞬時に行なうと同時に、体内に瞬間的なブレーキをかける。→予備動作を見せることなく、強いエネルギーを発揮するという方法論
  • 「気配」:対人スポーツにおいて勝敗の帰趨を決する重大な要素
  • ボクシングの「テレフォンパンチ」:知らせてから打つパンチ(相手がわかってしまうパンチ)←「テレフォンパンチ」の原因:「ため」「反動」「うねり」「大振り」といった動き
  • 「蹴る」「踏み込む」という行為→相手に「気配」を伝える
  • 踏み込みに予備動作のない左ストレートを放つには⇒右足で蹴るのではなく、左の骨盤で体を引っ張るという感覚が必要になる→その動作に左ストレートを同化させるという身体の運用
  • エディ・タウンゼント:エディの教える左フック→少々異質、「斜め下から突き上げるように打て」→教え子の柴田国明:天才ハードパンチャーと呼ばれるまでになった→「肋骨潰し」⇒肋骨を左肩に引っ張られるように変形させることで、肋骨の突端部にできたエネルギーを左肩にダイレクトに伝えるテクニック
  • エディ直伝の「下から突き上げる左フック」⇒反動を必要としないばかりか、瞬時のエネルギーの伝達を可能にする
  • 「肋骨潰し」:あらゆるスポーツパフォーマンスに応用できる
  • マイケル・ジョーダン:抜く瞬間に「踏ん張る」「ためる」という予備動作がない⇒相手はジョーダンの動きの軌道が予想できず、気がつくとぬかれていた
  • 「抜く」ときに「蹴る」という動作は慎むべき⇒足に主役をさせてはいけない→あくまでも肋骨と骨盤に引っ張られるような動きが望ましい⇔「気配を消す」ための必須条件
  • 振り返る動作に「井桁崩し」を取り入れる→一方の膝を沈めながら骨盤と肋骨を平行四辺形に潰して振り返る⇒ポイントは股関節の折り畳み



<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)

  • こ(根拠):体にうねりやためを作らないことで相手に気配を察知されなくなる
  • れ(例):攻撃するときはどこかに力が入り、それが大きいほど相手に察知される。力が入るということは、体にうねりやためができてしまっていること。
  • ゆ(ユニーク点):肋骨の動きがスポーツパフォーマンスを向上させる
  • か(仮説):複数の支点を作ることで、相手に気配を察知されなくなり、そこから瞬間的にブレーキをかけることで強いエネルギーをうむことができる。
  • い(意見):どんなスポーツでもそうだと思うが、確かに強い人ほど力が抜けている。最初から力が入っているのは、大して強い人ではない。相手に当る瞬間、野球ならボールをとらえる瞬間にエネルギーを伝えることが大事。

<気付き>
「うねり」や「ため」をなくすには、体の柔軟性も問われるのかも知れません。一緒に空手を習い始めた人がいるのですが、日々柔軟をしていまではハイキックを繰り出せるほどいなられています。
次回は、柔軟性についても参考になると思います。

<今日の一言>
「「捻らず」「うねらず」「踏ん張らず」」



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