第138回目「ナンバ走り 古武術の動きを実践する〜その1」(矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎共著)

<ポイント>

  • 体を捻らない
  • 骨の位置を把握する
  • 肋骨を器用に使う

<対象となる人>

  • スポーツをやっている人
  • 怪我の防止をしたい人
  • 古武術の動きに興味のある人

<Principle(面白いこと3点)>

  • 筋肉より骨の動きを知る
  • 今の歩き方は明治以降
  • 体を捻らないことこそスポーツに求められる動き

So What?/True? (Answerは皆さんも考え下さい)>

  • 江戸時代の飛脚の走りはどのような走り方をしていたのだろうか。そして、本当に早かったのだろうか。忍者の走り方はどうだったのであろう。彼らは気配を消すことにも長けていたはず。古武術にその秘密が隠されているのだろうか。

この本に興味を持てば→ナンバ走り (光文社新書)


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<抜粋>(かっこ内は私の意見)
青(客観重要、まあ大事)赤(客観最重要、すごく大事)緑(主観大切、おもしろい)


1.投げる

  • 「コツをつかむ」:この「コツ」とは「骨(こつ)」のこと
  • 「コツをつかむ」:「かなめである骨の位置を把握する」「物事をなす骨の働きを熟知する」
  • 本書は肉体を形成するこの「コツ(骨)」の働きを把握することによって、いかに体を効率よく操作し、より高度なパフォーマンスに結びつけるかという方法論を紹介したもの
  • 「コツ(骨)」の働き⇔筋力に頼らない身体運動→①筋力への依存はときに、一カ所に過剰な負荷をかけてしまい、故障の原因にもなる。②相手に次の動作を読まれるという欠点を露呈させる一因にもなりうる。⇒骨の働きに筋肉をついていかせるという発想こそが重要
  • 「体を割る」ときに主要な役割を果たすのが肋骨
  • 「投げる」動作においても、鍵となるのが肋骨の働き
  • 体幹部から「投げる」感覚を得るには⇒一にも二にも肋骨を器用に使うことが不可欠
  • 肋骨ストレッチ:体を捻るのではなく、あくまでも肋骨を並行四辺形に変形させる
  • 野球や投擲競技などにおいても、肩甲骨と上腕骨の分離感覚は重要
  • 「胸を張る」→とどのつまりは肩甲骨が背中の中心部に寄ることに他ならない←注意したいのは、肩甲骨を背中の中央に寄せるために、肩を後ろに引くという動作を加えないこと
  • 野茂投手のトルネード投法:実は体を捻っていない。回施させているのは股関節のみで、臀部から背中にかけては、ホームベース方向を向いている←少なくとも腹部の捻りはない
  • ロジャー・クレメンスの投法→上体を「折り畳む」ようにフィニッシュしている
  • 鼠蹊部(そけいぶ:股の付け根)からの「折り畳み」動作には、まず故障の予防という効果がある
  • 野茂のリリース直後の右の手→掌が上を向いている⇒肩の「分離」「独立」感覚によって可能になる
  • ボクシング「拳を内側に捻り込むようにして打つべし⇒パンチの威力が増すという理由だけでなく、拳を捻り込むことで、肩の「分離」も促される→瞬間的に腕が長くなりパンチのスピードも加速される

2.走る

  • 「摺り足」:速く走るためのヒントがある
  • 「摺り足」:同じ側の手足を同時に出しながら前へと進む動き
  • ナンバ走り(歩き)」:かつての日本には摺り足を彷彿させる走り方や歩き方があった
  • 江戸時代の飛脚:1日200キロも走った、交代によって江戸〜京都間約500キロをわずか70時間で走破した記録がある
  • 重心を低く保ちながら、滑るように足を運ぶ
  • 右足が前に出るときに右肩が出る。左足が前に出るときに左肩が前に出る。 → 体幹部の捻じれを極力抑える
  • ナンバ走り体幹の捻じれがなく、走るための全体の流れをスムーズにできるという利点がある。見た目には腕を振っていないが、体の中で振っているという感じ。=体の動きを止めない走り→スタミナの省エネにも繋がる⇔左右交互型の走り:体の中に捻じれが生じ、それがまた全体の流れの中にブレーキをかける→腕を振ることで、止まる瞬間を作ってしまう
  • 薩摩兵が西洋式の走りを取り入れた→明治政府は体育教育の一貫として走りを重要視し、西洋式の走りを浸透させた
  • ナンバ走り:「体を捻らない」という基本理念⇒初動の俊敏性、瞬発性、持続性、正確性など、あらゆるスポーツに求められる根幹要素が、ここの終結している
  • ナンバ走りをアレンジして走力を飛躍的にアップさせたアスリート:孫英傑(中国長距離界のエース、特徴は両腕をダラリと下げた走り)、高橋尚子(肩は前後にふっていない。体の上下動もなく、体幹が捻られることもなく、滑るような走り)、末續(相撲のテッポウのように腰と一緒に腕を前に送る動き、ナンバ的腕振り→推進力にブレーキをかけず、コーナーリングにおける遠心力も制御⇒世界一のコーナーリング)、マイケル・ジョンソン(肘から先を振り下ろすという特徴)
  • 桐朋ナンバ走り桐朋高校のバスケット部が採用):右足を出すと同時に右肘から先を引き上げるという身体の運用法→腰から肩までのラインが常に正面を向き、体幹部の捻じれがほとんど生じなくなった→要は体幹が捻じれなければよい
  • 桐朋ナンバ走り:右手右足、左手左足を同時に出すのではなく、右足が出たときに右肘から先を、左足が出たときに左肘から先を引き上げていく
  • ナンバ的感覚を養う:両手を太股に置いて歩いてみる。右手右足、左手左足が同時に出るナンバ的感覚が分かる
  • 現代の上肢、下肢の左右交互型の走歩行⇒内臓への負担を増大させ、便秘の原因にもなる⇒体幹を捻らない走歩行は、体内の血液を滞らせることなく、内臓にも優しい



<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)

  • こ(根拠):体を捻らないことは、体に掛かる負担を少なくし、省エネになる
  • れ(例):マラソントップランナーの走りには、腕を大きく振らないことで、力をセーブしている走りがある
  • ゆ(ユニーク点):体を捻らないことがスポーツの基本理念
  • か(仮説):体を捻らないことで初動の俊敏性、持続性、正確性などが身に付く
  • い(意見):相撲の摺り足は瞬発力があるということは聞いたことがあります。土俵で向かいあって立会いから前に出るスピードは100m走の選手より速いということを聞いたことがあります。古来の日本のスポーツ(武術)の良さが相撲にもたくさんあるのでしょう。

<気付き>
私は大人になった空手を始めました(子供に習わせるついでに自分も習っています、一応黒帯びまで取りました)。特に組手のときに次のような注意を受けます。力が入りすぎている、とくに初動に力が入ると肝腎なときに力が抜けるのと相手に読まれやすいのでリラックスしてスピードを心掛けること。ナンバ走りの体の使い方を習得して役立てて行きたいですね。
次回は、殴るという章も取り上げます。格闘技や武術を習っている方は、特に参考になると思います。

<今日の一言>
「体の捻じれをなくすことが、スポーツの基本理念」



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