第114回目「空想プロジェクトマネジメント読本」(司馬紅太郎監修)(その2)

<ポイント>

  • ヤマトとリスクマネジメント
  • 宗方コーチの人材育成方法
  • ゴルゴ13の調達マネジメント方法

<対象となる人>

  • プロジェクトマネジャー
  • PMPを勉強している人
  • プロジェクトメンバー

<Principle(面白いこと3点)>

  • 部下の成熟度にあわせた育成
  • 良い仕事をするにはそれにあったツールが必要
  • 目的と方法を勘違いしないこと

この本に興味を持てば→空想プロジェクトマネジメント読本


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漫画を例に、ストーリーを一つのプロジェクトとしてみて、プロジェクトマネジャーの役割をみていく試みで記載されています。PMBOKに準拠されています。
この本は、PMP取得、ITコーディネーター、中小企業診断士の方たちを集めて記載されています。私はPMPを取得しており、PMI米国、PMI東京支部、JPMF等の会員でもあります。PMを勉強する立場から見ても、PMBOKに関することも記載されており、PM関連の面白い例として読むことができると思います。
この本には、他のヒーローものについての分析もあります。
あしたは、冬ソナと変更管理、ショッカーと組織論などです。
<抜粋>(かっこ内は私の意見)
青(客観重要、まあ大事)赤(客観最重要、すごく大事)緑(主観大切、おもしろい)


4.宇宙戦艦ヤマトとリスクマネジメント

  • リスク:「もし発生すれば、プロジェクト目標にプラス、あるいはマイナスの影響を及ぼす不確実な事象あるいは状態」のこと
  • ヤマト:地球滅亡の危機を救うという使命を背負っている割に、①乗員数が少ないし、若いメンバーが中心(経験がないメンバー)、②戦闘機が少ない、③波動砲は未知の武器、④イスカンダルの位置、ガミラスの戦闘力の把握等に対する情報が少ない(情報把握ができていない)⇒リスク分析が出来ていないにも関わらず、敵の攻撃をかいくぐって未知の星に向かおうとすること自体、無謀である <<たまにプロジェクトでも良く見受けられる。開始前にリスク分析を実施せずに、イケイケで発信してしまう。最初から負け戦と感じていてもそのまま突入してしまう。リスク分析の重要性がわかっていないプロジェクトがありますね。>>
  • リスクマネジメントの観点から言えば、ヤマトの航海におけるリスクの識別は、軍事専門家や宇宙航海のエキスパートたちを含めたブレーンストーミングで行わなければならない
  • リスクマトリクス(重要度(影響)と発生確率でリスクを分析)で分析すると、①イスカンダルの位置が不明でたどり着けるかどうか、②たどり着けるにしても期間的に間に合うか等、多くのリスクに対して、重要度(影響)が高く、発生確率も高いもので、リスク分析からいうと「対応が必須」の項目だらけである
  • リスクの対応:回避、転嫁、軽減、受容の4つがある(PMBOK
  • リソース:ヤマトだけ→ヤマトに不測の事態が発生した場合には、スケジュールの遅れやコストの超過がヤマト自身にまともに跳ね返ってくる
  • ヤマトの処女航海はリスクマネジメントの観点から判断するときわめてリスキー
  • ワープ航法:(タスクにかかる工数を短縮できるという点で)スケジュール短縮のクラッシングの一種とみなすことができる
  • ヤマトは、航海中にしっかりとクラッシングとファスト・トラッキングを活用している
  • 人類滅亡の恐怖にとらわれるあまり、スケジュールを計画段階でしっかり煮詰めるという視点がヤマトには欠けていた

5.エースをねらえと人材育成

  • SL理論(Situation Leadership)
    • リーダーシップのコンティンジェンシー理論を発展させたものであり、リーダーシップの有効性と部下の成熟度を関連づけたものである
    • 部下の成熟に応じて指導の方向性を変える理論
    • リーダーシップを「タスク(仕事)志向」と「人間関係志向」の2方向性に分け、部下の成熟度に応じて2つの志向のウエイトを変化させる
    • 世界中の先進的な企業がマネジャーのトレーニングに取り入れている
    • 部下の成熟度にあわせ、①指示的リーダーシップ(タスク志向高、人間関係志向低、部下が未成熟のためまずはタスク志向)→②説得的リーダーシップ(タスク志向高、人間関係志向高、部下が慣れてきたのでタスク、人間性の両方を重視)→③相談的リーダーシップ(タスク志向低、人間関係志向高、部下が成熟しているためタスク志向をさける)→④委任的リーダーシップ(タスク志向低、人間関係志向低、部下が成熟しているため全体的にリーダーシップをさげる)
  • 宗方のひろみに対する指導は、指導対象の成長具合に合わせてSL理論を適切に行使した好例である(①まずは技術重視でトレーニング、②技術とメンタルを強化、③よりメンタルを重視、④自立させる)
  • 時代の先端を走る「SL理論」や「メンターシステム」を取り入れた卓越した指導方法によって、ひろみを導いている
  • SL理論については、こころさんも参考になります。

6.ゴルゴ13と調達マネジメント

  • 仕事にあたっては精緻かつ高品位なツールが必要→デューク東郷をゴルゴ13たらしめている裏には、ツールを調達する調達マネジメントの妙がある
  • 必要なリソースを確保できなければ、プロジェクトの成功はおぼつかない
  • 仕事の結果(すなわち品質)にこだわるのであれば、その仕事をまっとうできるだけのツールを調達する必要がある
  • 調達を実施する際には仕様の提示が重要→ゴルゴは、道具(銃)に対する仕様を詳細に伝えている
  • ゴルゴの最終的なターゲット(目標設定)は不明→小規模プロジェクト型プロジェクトマネジャーにすぎない⇔技術志向のSEが陥りやすいプロジェクトマネジメント構造
  • ITはあくまでも道具であり、経営戦略を実現するためにITプロジェクトは実施される⇔技術志向のSEは目先の詩術的課題を解決し、新たな仕組みを取り入れることに邁進しがちで、ときに本来の目的(=経営戦略の実現)を見失ってしまうきらいがある



<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)

  • こ(根拠):弘法は筆を選ばずというが、良い仕事人は、良い道具を持っている。また、道具を調達する場所(人)、修正できる場所(人)を確立している。
  • れ(例)イチローも松井もバットに対して、グリップの太さ、バットの重さ、長さ、素材等細かいところまでこだわっている。
  • ゆ(ユニーク点):ツールを要求するには、そのツールに要求することを詳細に具体的に指示できること(受ける側から言えば客先仕様を具体的に把握すること)が大切
  • か(仮説):開発は勿論、プロジェクト管理についても、その仕事にあったツールを使えるがどうかで仕事の効率が左右される。
  • い(意見):ITでは次々にツールが出てくる。ツールが上手く使いこなせれば、仕事の能率も上がる。但し、ツールを習得するまでに時間を考えておく必要がある。ツールを習得するまでにプロジェクトが終われば意味がありませんから。

<気付き>
ツールについては、「これゆかい」で記載した通り。人材育成については、岡ひろみがテニスプレーヤーだけではなく、人間的にも成長したのは宗方コーチの指導方法が良かったから。人は誰に会うかで、その運命が左右される。良いステージが上がって、すばらしい人たちに会えるよいにしたい。
==> 昨日、ジェームス・スキナー氏の京都での講演に行ってきました。スキナー氏のサイン入りの本(成功の9ステップ)を買って、握手して帰りました。本の内容については、セミナーの内容と合わせてこのブログで紹介したいと思います。セミナー会場では、キャッツさん、ジュリーさんを見かけたような気がします。スキナー氏のセミナーについては、4日間のコースがあります。7月と11月にありますが、どちらかには参加するため準備を始めました。

<今日の一言>
「仕事の結果にこだわるには、その仕事にあった最適のツールを調達する。」



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