第110回目「強いリーダーはチームの無意識を動かす」(橋川硬児、石井裕之著)(その1)
<ポイント>
- 相手にYESと言わせるコツは
- 相手のモチベーションを上げるコツは
- 潜在意識に訴えかけるコミュニケーションとは
<対象となる人>
- コミュニケーション力を向上させたい人
- 心理学(特にNLP)に興味のある人
- チームの結束力を向上させたい人
<Principle(面白いこと3点)>
- 意見が出にくいのは、意見がでない環境を作っている
- 日本語は後の文に意識が向く
- 前提は否定しにくい
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ビジネスで活かせるNLPの実践例です。本書には、具体的な説明と例文が記載されていて分かりやすいです。今回から、2〜3回に分けてエッセンスを記載していきます。
なお、NLPについては、4/11(第91回目)〜4/18(第98回目)も参照してください。
今回は、自分の提案に対して反発をいにくくし、YESと言わせるテクニックです。
<抜粋>(かっこ内は私の意見)
(青(客観重要、まあ大事)、赤(客観最重要、すごく大事)、緑(主観大切、おもしろい))
0.無意識のコミュニケーション
- 今どきの目覚めた若者たち:「信用も信頼もする」か「信用も信頼もしない」か、ALL or NOTHINGの世界
- ダメ・リーダー:スタッフとコミュニケーションをとっていない
- 優秀なスタッフを輩出するリーダー:スタッフとのコミュニケーションを徹底的にとっている
- ダメ・リーダー:自分の部下を一生懸命管理しようとする、「まかせるよ」(=放し飼いと同義)が口癖
- コミュニケーションの成果は相手がどう受け取ったか
1.ドライブ(スタッフが自発的に動く潜在意識へのコミュニケーション)
- 「牛丼」がなくなることが問題ではない。「今まであったもの」がなくなることが問題。⇒人は、変化をできるだけ避けようとする。=未知の領域に足を踏み入れることが怖い⇔人を動かすことの難しさがある
- (1)YESと言いたくなる潜在意識テクニック:トランス状態
- トランス状態:外部からの刺激に無条件で反応しやすくなってしまう状態⇔「素直になれる状態」「警戒しない状態」
- 実は、皆の前で発言しないスタッフほど意外に斬新な意見を持っていたりする
- リーダーのあなたが、あえてスタッフが下座だと思っている場所や、普段と違う位置に座ったり、意図的にそんなスタッフを上座に座らせたりする。それだけで、観察力の優れたリーダーなら、瞬時にスタッフにいつもと違う変化があらわれるのを感じるはず。
- リーダ自身が自覚することなく、意見が出ない環境をつくっていながら、一方で、「意見のひとつも出てこない」とストレスをためている。こんなケースが意外に多い。
- 会話によって相手をリラックス状態に導く⇒相手に投げかける質問を工夫することで実現可
- ①「思」いださせる質問:相手の頭の中に、答えの「在庫」があるような質問
- ②「考」えさせる質問:相手に頭の中に、答えの「在庫」はないが、答えの「部品」がある質問
- ③「感」じさせる質問:相手の頭の中に、答えの「在庫」も「部品」もなうような質問
- 「思い出させる質問」→「考えさせる質問」→「感じさせる質問」へシフトさせる(思考感トランスクエスチョン)
- (2)YESと言いたくなる潜在意識テクニック:結合法
- メッセージ・ユニット:メッセージの単位
- 複数のメッセージ・ユニットを結合するだけで、相手の反応を回避することができる
- 四の五の言わずに行動させるには、ひとつよりもふたつ、ふたつよりも三つと、メッセージ・ユニットを結合すると効果的
- 大切なメッセージは、言ってしまってはダメ⇔口にだして言ったことに対しては、何らかの反発を受ける余地がある。「前提」として散りばめる。→「〜だから〜」という形で結合させる。
- 「納期が近いから、休日出勤してくれ」→納期というものは、休日出勤してまでも守るものという前提を散りばめている
- 英語圏の人:相手が話し終わる前に次の人が話しをスタートさせる⇔日本語圏の人:相手が話し終わるのを待って、次の人が話し始める=日本語は最後まで聞かないと相手の言いたいことが分からない言語⇒最後の方になればなるほど意識を集中しやすい=最後の方になればなるほど、反発的になったり、批判的になる
- 相手に反発させたくないメッセージ・ユニットは、できるだけ文章の最初の方に持ってくる必要がある⇒結合により本来の反発を別の方向に流す手法(スタッキング)
- 「〜して欲しいんだが、その帰りに○○でも買ってきてくれ」⇒相手の意識は、○○を買うことに焦点がいき、〜をすることに対して反発しにくくなる
- 人はいったん受身の聞く側に回ると、心の中で感じていることを露骨に顔に表してしまう⇒反発や否定の徴候を感じたら、それを速やかに放電させる必要がある
- 相手が反発していると思ったら→「・・・、どうぞ反発してください。反発しながら聞いてください。そして聞きながら考えてください。今何が私たちにとって重要なのかを」
- 「どうぞ反発してください」:反発している相手を認める。反発している人は、「あなたの指示通り」に反発を感じている
- 「AしながらBして下さい」:AからBへ相手の意識をシフトさせる
- 「今何が・・・」:反発から引き離した意識を着陸させる場所を示す
- 意識は、最後の「何が重要なのか」を考えることに振り向けられる
- (3)YESと言いたくなる潜在意識テクニック:BUT
- BUT:その前のメッセージ・ユニットの印象を弱め、その後のメッセージ・ユニットの印象を増強するという効果がある:「A、だけどB」⇒Bに意識が向く
- 「大きなチャンスだ。だけど、自分には難しい。」(難しいに意識が向く)⇔「自分には難しい。だけど、大きなチャンスだ。」(チャンスだに意識が向く)→相手が「大きなチャンスだ。だけど、自分には難しい。」と考えていれば、「難しいかも知れないが、大きなチャンスだね。」と言ってあげれば、ポジティブな方向に意識は向く
- 大事なことを言う時には、「軽く顎に触れながらしゃべる」⇔顎を触る=相手(あるいは自分自身)の潜在意識に対して、「これは検討すべき重要なポイントだ」という暗示を与えることになる
- (4)YESと言いたくなる潜在意識テクニック:ダブル・バインド
- ダブル・バインド:相手に受け入れてほしい「本来の提案」を、反発の「焦点をずらし」、「前提として」もっとスムーズに「受け入れて」もらうテクニック⇒意識というものは、同時に一つのものにしかフォーカスできない。したがって、一つのコミュニケーションに多重の意味を持たせた場合、意識がフォーカスできなかった意味は、意識の批判、分析を免れ、そのまま意識にはいる。
- 意図的に「複数の条件(選択肢)を付け加える」ことにより、相手はあなたの提案のすべてを拒否することができず、無意識に提案された選択肢の中から、自分で選ぶ。
- 潜在意識は、同時並行的にいくつものことを処理できない⇔顕在意識は、同時に一つのことにしかフォーカスできない:「ルビンの杯」意識は杯にフォーカスされるか、向かい合う顔にフォーカスされるかのどちらかになる
- ダブル・バインドは、「前提になっていることは否定しにくい」と併用すると効果的:「○○をしてくれ」→「○○をしてくれ。それには、Aの方法がいいかい、それもBの方法にするかい。」(○○をするのが前提となり、AかBかに選択に意識が向く)→「○○をしてくれ。それには、Aの方法がいいかな。」(Aの方法が嫌と思っている相手は、どの方法にするかに意識が向き、Bの方法を選択する。)
- ダブル・バインドの構成方法
- ①サジェスチョン(相手に受け入れてもらいたいメッセージ、暗示・提案)を「ギリギリ最小限」のものにする:○○をまとめてくれ
- ②①のサジェスチョンを限定する→本来はどうでもいい、「あわよくば」的な余計な条件を付け加える:○○をまとめてくれ、遅くとも○曜日までに
- ③「それはちょっと・・・」と微妙に「反発」させるような条件づけを行う→微妙な反発を誘発することで、「本当に反発させたくない部分への反発を回避」する。また、「特に反発させたくないメッセージ・ユニットは、文章のできるだけ最初の方に配置する。:○○をまとめてくれ、遅くとも○曜日までに3案ほど頼む
- ①「製品の説明をしました」:否定できない事実、相手は受け入れる
- ②「私の言葉を鵜呑みにしないで下さい」:相手もそのように考えている=相手も受け入れる
- ③「他社の製品とも比べてください」:相手もそのように考えている=相手も受け入れている。(他社の製品の方が良いと思ったとしても、この言葉の指示通りに疑っていることになる)
- ④①〜③のすべてに対し、相手も受け入れているので反発できない。
- ⑤「決めてください」:ここで言う、決めてくださいというのは、勿論自社の製品に決めてくださいということを暗示している。→前提が潜在意識に入る→自社製品に好意的な判断をしてくれる
- (5)YESと言いたくなる潜在意識テクニック:混乱法
- トランス状態:「外部からの刺激に無条件で反応しやすくなってしまう状態」「素直になれる状態」「警戒していない状態」「意識が退いて潜在意識にその場を明け渡した状態」
- ダブル・バインドの原理:「意識は同時に一つのものしかフォーカスできない」
- 意識で対応できないような状況に直面したとき⇒自動的に、批判・分析といった態度を退ける(混乱法)⇔相手をほんの一瞬だけ混乱状態に導いて、批判・分析が一時的に退いた状態をつくり、そのタイミングでサジェスチョンを投げ込む
- 混乱すると反発できなくなる
- 普通の会話の部分は少し速めにしゃべる。大切なサジェスチョンのところにきたら、グッとスピードを落とす。⇒相手は気づかないうちに一瞬の軽い混乱状態に入る。⇒サジェスチョンの部分が相手の抵抗・疑い・反発・警戒をかいくぐって、潜在意識にすっと受け入れられやすくなる。
- 人はゆっくり動くものに対しては反発しない
- 人は、速く動くものに対して潜在意識的に警戒する
- 相手の中に「眉を上げる=ポジティブ」という条件付けを行う:ポジティブ発言は眉を上げる、それ以外の発言には眉は普通⇒相手が否定的な発言をしたときに眉を上げて相手の顔をみる。相手は混乱して、これを繰り返すと否定的な発言が減ってくる
- ザイガニック効果:潜在意識は、その後を引き継いで問題を解決しようとする⇔リラックスしている時に、ふとアイデアや解決策が浮かぶときがある
- 意識で考えて、結論を出すのは潜在意識に任せる
- 「意識が考えることを中断すると、その後を、潜在意識が引き継ぐ」⇒ネガティブな発言を中断すると、「・・・どうせダメだよなあ」という部分が潜在意識に入り込んでしまう
<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)
- こ(根拠):日本語は、結論が文章の最後の方に来る。そのため、文章の最後に意識を置く習慣がついている。
- れ(例):日本語は最後まで聞かないと、YESかNOかが分からない。そのため、話の途中で割り込まれると、人の話を聞いていない(結論を聞いていない)人として扱われる。つまり、文の最後に意識を持って行くべき構造になっている。
- ゆ(ユニーク点):提案することを文の前に持ってくることで、注意(潜在意識)はその後の文により注意が行くため、提案事項に対する反論を受けにくくすることができる。
- か(仮説):前提を散りばめ、提案事項を前に持ってきて、結論の部分は提案事項を実施することを前提として選択肢にすることで、相手の潜在意識に提案を受け入れやすい状態を作ることができる。
- い(意見):言葉の使い方、ちょっとしたコツで、人の心は変わるもの。これが上手く使うことができれば、コミュニケーションを通じてチーム力が向上していく。
<気付き>
コミュニケーションの重要さと、言葉と潜在意識の関係、潜在意識の力と面白さが分かってきた。ちょっとした言葉の使い方、気配りで人の行動は変わってくるものですね。
<今日の一言>
「前提を散りばめて、提案事項は文の前に持ってくる。文の後は選択肢を持ってきて、意識を別のところに向けさせる。」
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