第105回目「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(山田真哉著)

<ポイント>

  • 会計を通してみる経営の仕組みとは
  • なぜあの商売が儲かるのか
  • 数字のセンスを身に付けるには

<対象となる人>

  • 会計に興味のある人
  • なぜあの商売が成り立つのか不思議に思う人
  • 経営者

<Principle(面白いこと3点)>

  • 副業を有効に活用する
  • 単価が低い場合は、回転率を上げる
  • ある特定の数字を抑えておくことで、数字のセンスを身に付ける

この本に興味を持てば→さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)


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なぜ、あの店が潰れないのだろう。あの商売はどうやって儲けているのだろう。そんな、疑問に会計という方法を使って解説してくれる本です。
会計って結構面白いのではと思わせてくれる本です。
<抜粋>(かっこ内は私の意見)
青(客観重要、まあ大事)赤(客観最重要、すごく大事)緑(主観大切、おもしろい)


1.さおだけ屋はなぜ潰れないか

  • さおだけ屋は、なぜ潰れないのでしょうか。
    • さおだけのニーズは、それほどないはず
    • さおだけそのものは、それほど高いものでもないはず
    • 売れたとしても、それ程利益のでる商品ではないはず
  • さおだけ屋のカラク
    • 2本千円のさおだけを売る→それより高級で丈夫な1本5千円のさおだけを勧める→家まで運んであげる→物干しの土台が悪いからと10万円の修繕工事を勧める
    • ①さおだけ屋は、単価を上げて売り上げを増やしていた(2千円から5千円を勧める)
    • ②さおだけ屋は、仕入れの費用がほとんどゼロの副業だった
  • 「売り上げ」「費用」「利益」
    • 「売り上げ」−「費用」=「利益」
    • 「利益」は企業が継続していくためには必要不可欠
  • 単価を上げることが業績回復の最も安易な手段
  • さおだけ屋の正体は、初期投資のかからない副業である
  • 利益を出す方法
    • 売り上げを増やす
    • 費用を減らす
  • 「節約は絶対額で考える」べきである⇔千円のものを5百円で買うのと、100万のものを101万で買うのでは、絶対額では後者の方が得く。
  • 普段はケチケチしているけど、たまにはパッと使う人=非常に赤字を出しやすい性質で、経営者には向いていない⇒節約した気になっているだけで会計を見ていない
  • 情報が偏っている場合、本当の費用効果がわからない←水道代が安くなると謳う食器乾燥機。電気代については、何も触れていない。
  • 数字を思い切って無視することも大事←食器乾燥機を入れると台所が狭くなる

2.ベッドタウンにある高級フランス料理店

  • ベッドタウンにある高級フランス料理店がやっていけるのは
    • 人通りの少ないベッドタウンにある
    • 人通りが少ない場所にあるのに、都心のフランス料理店並みの価格設定
    • 都心のフランス料理店に比べ、飛びぬけて美味しいわけでもない
  • ラク
    • 副業で料理・ワイン教室を開催
    • 高級料理店にすることで、習う人のお得感を演出
    • 生徒さんを顧客にできる
  • 本業だけで儲ける必要はない⇒副業など他のところでちゃんと利益を上げることができれば商売は成り立つ
  • 本業と副業はバラバラになってはいけない、お互いをつなげて考える
  • 「ローリスク・ハイリターン」とは得意分野で予算内の投資をすること

3.在庫

  • 商売をするには、「在庫は悪だ」と言い切ってもいい
  • 在庫:多くてはだめだがないと困るもの
  • 「損をしないために在庫を減らす」という考え方は家庭でも見習うべき
  • なにかしらの期限を設けると、すんなり捨てられるようになるはず
  • 潰れる企業は、大量に仕入れたことで失敗していることが多い
  • 多少高くついたとしても、単価が高いものを選んだほうが得することもある
  • 必要なものを必要な分だけ買う

4.完売したのに怒られた(機会損失)

  • 商売の基本=チャンスゲイン(売り上げ機会の獲得)である
  • チャンスロス:チャンスゲインの反対、機会損失
  • 会計的な考え方では⇒商品が余ることも怖いが、品切れすることも同じくらい怖い
  • 自分が実現できそうだと思っているラインよりも、少し高めに設定するのがコツ
  • チャンスロス:実際に得られなかったものをゼロとするのではなく、マイナスとする考え方
  • 個人の場合、いくら負債が多くても、すぐに支払うべきものでなければ気にする必要はまったくない
  • 普通のサラリーマン家庭ならば、決算書は参考程度に受け止めるべきもので、切実に対応を考えるようなものではない
  • 根拠がたいしてなくても、とにかく数字を使って話をすれば主張を受け入れてもらいやすくなる
  • 「エイリアン2は、いい映画です」と言われるより、「エイリアン2は74回観ました」と言われる方が、その映画は本当にいい作品なんだと言う想いが伝わってくる(平野秀郎氏)

5.トップを逃して満足するギャンブラー(回転率)

  • 店員が参加している雀荘、トップを狙わずに早く終わらせた店員の意図⇒回転率を上げることを念頭においている
  • 回転率:1日でどれだけの客をさばけるかという割合のこと
  • キル・ビル」はもともと4時間以上の1本の作品であった→長時間だと映画館の回転率が落ちる→VOL1とVOL2に分けて、別の時期に上映された
  • 「売り上げ=単価×数」⇔単価を上げられないならば、数(回転率)を増やしていくしかない
  • 回転率が高くなったとしても、リピーターを作ることができなければいずれ回転率は落ちていく

6.ワリカンの支払い役(キャッシュ・フロー

  • ワリカンの支払い役になる矢→カードで払う→カード決済まで集めたお金をつかる→無利子で借りたようなもの→月1回飲み会がありワリカンで支払い役になる→無利子でずっと借りれることになる
  • キャッシュ・フローの考え方:“現金”の動きを見ることに尽きる
  • カード会社のカラクリ(クレジットカードの仕組み)
    • 高額な支払いをするお店や夜の飲食店の場合:「カード不可」だとお客さんが安心して飲み食いできなくなる→カード手数料10%でもカード会社と契約する
    • 百貨店ではカード手数料なしとしているところもある→百貨店でカードが使えないとカード会社のブランドが失墜するため
    • 一般のお店では、3〜5%の手数料が発生している
  • 個人の家計で一番重視すべき会計指標=フリー・キャッシュ・フロー
  • フリー・キャッシュ・フロー=自由に使えるお金の額のことであり、これを非常に重視している会社も最近増えてきている
  • 個人の場合のフリー・キャッシュ・フロー=日常の現金の出入り+将来のための現金の出入り
  • フリー・キャッシュ・フロー:収入から生活費や保険といった最低限必要な出費を引いた残り。この残りが、「自由になるお金はいくらあるのか?」ということを示す

7.数字のセンス

  • 「50人にひとり無料」=「2%割引」→「50人にひとり無料」と言い換えるだけで、とたんにその広告が輝きを増す
  • 物事をキチンと数字で考えることができるかどうか、それが数字のセンス
  • 分析の基本型=「1単位あたりいくらか」を出す。そして、去年と「比較」して力の流れを見る
  • 「ある特定の数字を定期的におさえること」、これが分析の極意であり、これができるかどうかが数字のセンスの有無につながっていく。
  • ありとあらゆる数字の背後には、ちゃんと「意味」が存在する。その意味を読み取ることができるようになれば、自然と数字のセンスは身についてくる



<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)

  • こ(根拠):経営状況を把握するには、売り上げ、お金の流れ(キャッシュ・フロー)、在庫の状況(チャンスゲイン、チャンスロス)、回転率を知る必要がある。それらを正確に把握しないと、戦略が立たずに経営ロスを招く。
  • れ(例):コンビニでは、POSを使って商品管理を徹底している。POSデータを分析することで、何がどの様な条件の下で、どの程度売れているのかが把握できる。このため、店員がアルバイトでもチャンスロスを抑えることができている。
  • ゆ(ユニーク点):特定の数字を定期的に抑えておくことで、数字の変化の裏に隠されている意味を知ることができる。
  • か(仮説):特定の数字を定期的に抑えていくと、その数字を比較検討することができる。比較することができれば、数字が変化する要因を突き止めることができ(分析)、新たな戦略を考えることができる。
  • い(意見):数字から、その数字の意味するものを把握できるかどうかで、戦略を立てることができる人とできない人が出てくる。つまり、ビジネスチャンスを掴めるかどうかに関わってくる。会計は、ビジネスチャンスを分析するための方法で、そういう目で見ていくと数字自体が生きているものに見えてくる。

<気付き>
会計は、ビジネスを分析する上で非常に重要なツール。ビジネスチャンスを掴む人は、数字の奥に隠されているものを見ているのかも知れません。その分析が他人と違う視点で考えることができ、それがビジネスゲインする源になっているのだと思います。
<今日の一言>
「特定の数字を定期的に把握してみよう。数字に隠されたビジネスチャンスを逃さないように。」



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