第104回目「起業バカ」(渡辺仁著)
<ポイント>
- 起業時に注意する点はなにか
- FCの落とし穴とは
<対象となる人>
- 起業を考えている人(特にFC)
<Principle(面白いこと3点)>
- 会社の常識や活字を信じ過ぎない(人からの生の情報を)
- FCは本部が儲かる仕組みとなっている
- 最後は人間性
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起業すること自体は、今後もますます容易になる(今年は商法の改定も予定されている)。起業するのは容易になっても、企業として継続することは難しい。この本では、FCを中心として、起業するときに注意する事項について、実際に被害にあった方々の例を含めて記載されています。
<抜粋>(<<>>内は私の意見)
(青(客観重要、まあ大事)、赤(客観最重要、すごく大事)、緑(主観大切、おもしろい))
1.失敗の要因
- 新しい会社:10年生き残れるのは、たった5%
- 起業は志(きれいごと)だけでは続かない
- 他人任せの脱サラパターンは失敗率が高く、危険きわまりない
- 大企業出身サラリーマンの失敗:「思い込み」「自信過剰」「経験不足」の3パターン
- フランチャイズ(FC)業界:悪質なモノも含め、退職金ねらいで躍起になっている
- マルチ商法:広告規制、契約書面の交付、クーリングオフの設置といった条件が整えば、この販売制度自体は違法ではない
2.はまるワナ
- 経営者が落ちる落とし穴(名経営者が、なぜ失敗するのか?(シドニー・フィンケルシュタイン著))
- (1)1つの原則やモデルを成功の秘訣と信じ込んで判断する
- (2)永遠に達成できない戦略に熱をあげる
- (3)事業運営上の評価基準を間違ってしまう
- (1)賞味期限切れの答え(古い技術や顧客ニーズに合わなくなった商品)にこだわった
- (2)新市場でのリスクを軽視した
- (3)自分の能力と自社の力を見誤った
- (4)“柳の下のドジョウ”を狙った
- 1.ほとんどのサラリーマンが罹っている「会社病」(自分の会社の価値観や意識にハマっている
- 2.新聞などがタレ流す情報を信じきった「新聞病」」
- 3.フランチャイズ加盟者などに多い「依存病」
- 会社を飛び出し事業を立ち上げる=ゼロからの出発、頼るものは誰もいない、カネもない、名もない
- 脱サラした人は自分の部署の経験しかなく、起業後の危機管理がなっていない
- 脱サラ起業家は、自分の会社や業界での常識がビジネスの常識とカン違いする
- ベンチャー企業の敗因:カネの使い方と営業力
- いい情報や価値のある情報:いつの時代も「人」が握っている。金儲けをしたいなら、まず、人に会い、人を口説き落とさなければならない。⇔ビジネスの原則中の原則
- 現実には人から取るナマの情報より、活字で得た2次情報や3次情報をもとに意思決定する脱サラ起業家が圧倒的に多い
- (1)自分と会社が市場や環境が「支配している」と思い込む
- (2)自分と会社の境を見失い、公私混同する
- (3)自分を全知全能だとカン違いする
- (4)自分を100%支持する人間以外を排斥する
- (5)会社の理想像にとらわれ、会社のスポークスマンになろうとする
- (6)ビジネス上の大きな「障害」を過小評価して見くびる
- (7)かつての成功体験にしがみつく
3.誘惑とワナ、FCビジネスの落とし穴
- 会社とは:一種のプロジェクト、期限あるもの、と考えるべきでは。また、収益を上げられない会社は解散すべき。
- シロウトが加盟するFCビジネス:様々な落とし穴が仕掛けられている
- FC:きっちりと仕組みを理解する必要がある
- FC:本部がビジネスモデルを開発し、それを加盟店に供与してチェーン展開するビジネス形態
- 本部だけは間違いなく儲かるのがフランチャイズビジネスの本質
- 一度契約を結んだが最後、あとは本部に干からびるまで吸い尽くされて終わり→契約書は本部に都合よく作られている
- 「フランチャイズ契約はよく理解して!」というパンフレットが中小企業庁よりでているので参考に。
- いったん契約すると、本部に従属せざるを得ない状況に置かれる
- 「加盟店は本部の出店リスクを肩代わりする“カケ捨て保険”のようなもの」(あるコンビニFCの社長)
- 加盟店オーナーは開業資金を出し、経営責任を負わされ、そのうえ本部のリスクをおっ被されている
- 契約時の注意:何百万、何千万も投資して事業をやるわけだから、本当は、(契約書、契約内容を)弁護士に見てもらった方がいい
- FC→契約がすべて。加盟店は大きくならないように“制限”が加えられているのが現実。 <<オーナーといえども、本部の了解なしには何もできない。独自色を出せない。>>
- 他人任せの商売ほど危険なものはない。 <<FCにしても自分で出店場所、どこまで口出しできるか、売上・利益に対するシナリオを確認しておく必要がある。まあ、最初は、うまいことしか言われないでしょうから、自分の目と自分が信用できるプロの目で見てもらうことが大切。>>
- 委託経営:開業資金を調達できない人向けに本部直営の経営をすべて任せる制度。収入は成果報酬で、独立志向の若い人などに人気。
4.いま、起業は損か得か
- カネに執着し、欲を剥き出しにし、人を押しのけるほどの気迫がなければ成功なんて覚束ない <<独立するのであるから、ある程度のパワーは必要だとは思いますが>>
- 株の凄さ:オン・ザ・エッジに投資した100万円の元手が、たった3年で20億円に大バケした株式市場の驚くべき錬金術→堀江氏(ライブドア)に株の凄さと怖さを叩き込んだ
- 5年前から“ベンチャー転がし(会社の転売を狙った上場)”や“ベンチャー喰い(IPO株の売り抜け)”がアメリカ並になっている <<そう言えば、アメリカでは、マイクロソフトに高く買収して貰えるように、固有の技術で会社を立ち上げているベンチャーもいました>>
- 日本の教育における平等の概念⇒結果平等が本当の平等だと教育界まで誤解している。重要なのは機会平等なのに結果平等とハキ違えている。これで才能の芽をつんでいる。
5.経営者への提言
- 経営者は自らのうちに、常に「天(理想)」と「地獄(現実)」を抱え込んでいなければあらない
- 自分が起業家タイプか、実務家タイプか、ハッキリ見極めること
- 脱サラが成功するポイント
- 1.自分の資金とフットワークだけで始めるべき
- 2.前職と違う業種や仕事を選ぶこと
- 3.若い人と対等につき合うこと
<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)
- こ(根拠):起業して10年間続けているのはたった5%というデータもある。それだけ、継続するのは難しい。また、それだけ起業する時は慎重に戦略を練っておく必要がある。FCでは、セブンイレブンでも2005年度の新規出店数950に対し、1/3近くの300店が閉鎖店の状況のようである(出典:有価証券報告書、本書より)。
- れ(例):FCで独立したが、結局おいしい思いをしているのは本部のみというところもある(参考(本書より):FCチェーンの利益率は10%以上の本部がごゴロゴロしている。あのトヨタ自動車でも売上高経常利益率は7〜8%)。
FCとは関係ないが、メイプルウッド事件やクレイフィッシュ乗っ取り事件等がある。
- ゆ(ユニーク点):契約内容を急がせるところには特に用心する。契約内容については、弁護士に相談するなどして確認しておく(弁護士費用をケチったばかりに、後で取り返しのつかないことにならないように)。
- か(仮説):素人が大金を出すのであれば、必ず信頼できる人に相談すること。また、大手新聞に載っているから、名前が知られている企業だからといって信用しないこと。
- い(意見):ボクシングの試合に、プロと対戦して素人が勝つ確率は、限りなく0%。そのためにも、本当の人脈を作って、自分の人間性を磨いていくことが重要。
<気付き>
FCチェーンって結構落とし穴があるようです。甘く考えていると大変なことになる。何でもそうだと思うのですが、光ばかり見ないで、リスク管理をしっかりと準備しておくことが大切。あとは、信頼される人となり、信頼できる人との交友を作っていくことも重要ですね。
<今日の一言>
「信頼できる人から、生の情報を得られるようにしよう。契約内容は、後で問題とならない様に、弁護士等に相談してみよう。」
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