第84回目「プロジェクト成功への挑戦<3つの力>〜その3〜」(井原弘著)

<ポイント>

  • プロジェクトの各フェーズで要求される事項とは何か。
  • プロジェクトを成功に導くために各フェーズで実施すべき点は何か。

<対象となる人>

  • プロジェクトマネジャ
  • PMO
  • プロジェクトリーダー
  • 経営者

<Principle>

  • 作業範囲事項は、契約書で明確にしておく。
  • リスクは、いかに事前に防止できるか、早期に対応する心掛けが必要

この本の興味を持てば→プロジェクト成功への挑戦 3つの力


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プロジェクトにリスクはつきもの。識別されたリスクは、予防することが重要。これは、プロジェクトに限ったことではない。和田秀樹氏も言っていたが、ビジネスマンにとって問題解決能力が要求される重要な能力のひとつである。課題、リスクにどう対応するかは、プロジェクトでも、その他のことでも同じところがあるように思われます。
<抜粋>(かっこ内は私の意見)
青(客観重要、まあ大事)赤(客観最重要、すごく大事)緑(主観大切、おもしろい)


1.プロジェクトを計画・実行するPM組織力(後半)
(6)人的資源マネジメント

  • 要点:①プロジェクト組織計画、②要員の調達、③プロジェクト・チームの育成
  • 整備ポイント:プロジェクト・マネジャーの役割・責任・権限を明確にしておくべき
  • 経営力の整備:①プロジェクトを支えるインフラ力として経営・ゼネラルマネジメントと、プロジェクト・マネジャーの役割・権限・責任については、整合性を持って明確に定義することが必要
  • 問題の原因:個々のプロジェクト・マネジャーは自分のプロジェクトの遂行のために要員確保に全力で当たらなければならない
  • 対応策:①各プロジェクトおよびプロジェクト・チームの早期立ち上げに細心の工夫をする。②重要な技術的なポイントについては、各プロジェクト間でのクロス・レビューを積極的に行う。③あくまで、企業全体から見た最適解を求めるべきである。④外部リソースの体制整備が必要。

(7)コミュニケーション・マネジメント

  • 要点:①コミュニケーション計画、②情報配布、③実績報告、④プロジェクト完了手続き
  • 整備ポイント:①実績報告については定期的に行う。②進捗把握にアーンドバリューを採用する。
  • 経営力の整備:プロジェクトのコミュニケーション・マネジメント計画書のテンプレートに、上位マネジメントへのコミュニケーション方法を埋め込んでおく。
  • 問題の原因:コミュニケーション計画書=変更に際していかなるコミュニケーションを実施すべきか、明確に盛り込む必要がある。
  • 対応策:プロジェクト計画書の一部または独立したコミュニケーション計画書を作成するようにする。

(8)リスク・マネジメント

  • 要点:①リスク・マネジメント計画、②リスクの特定(リスクの識別)、③定性的リスク分析、④定量的リスク分析、⑤リスク対応計画、⑥リスク監視と管理
  • 問題の原因:リスクはどこにあり、どの程度のインパクトがあり、どうすればそれを未然に防止できるかといったことを、いかに処理できるかが大切である。
  • 対応策:①適切な範囲でプロトタイプ開発ができるようにしておく。②受注者に無理難題を押しつけるような事態を起こさないことが、結局はうまくいくことになる。③リスク対応コストを予算ベースで確保する。

(9)調達マネジメント

  • 要点:①調達計画、②引合計画、③引合、④発注先決定、⑤契約管理、⑥契約マネジメントの完了
  • 整備ポイント:①発注仕様書を必ず作成し、一定の承認プロセスを経なければならないようにすべき。②外注契約の標準契約書は、「委任(準委任)」と「請負」の2種類を整備する。
  • 経営力の整備:①外注化戦略を明確にする。②妥協のないチェック機能が必要。
  • 対応策:①外注のプロセスを組織だって明確にしておく必要がある。②発注した外注作業に関しては、その進捗状況、問題状況などを正確に把握しなければならない。

(10)契約マネジメント

  • 整備ポイント:①「委任(準委任)」と「請負」のそれぞれに、標準契約書を整備すべきである。②標準契約書の条項のなかで特に注意すべきことは、権利所在、守秘義務、賠償責任の上限、瑕疵担保責任期間といったところ。
  • 対応策:①社内のプロジェクト開始プロセスのルールを明確に規定する。②契約書は互いの誤解のない合意を確認するものとして、タイムリーに締結することを依頼すべき。



<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)

  • こ(根拠):リスクや問題は、放っておくと、影響度が大きくなってくる。従って、コントロールしないと傷口が広くなる。予防策を講じて、コントロールすべき。特に、契約に絡むことは、防御策も必要。危機管理意識が必要となる。
  • れ(例):先日、福岡沖で地震があった。政府のリスク対策本部がすぐに設置され、対応が取られた。阪神大震災のときは、まったく対応できていなかったことと比べると、リスクへの対応策が整備されていることによる危機管理がコントロールされている。
  • ゆ(ユニーク点):リスク対策、契約こそ、組織としての対応力が求められる。
  • か(仮説):リスクが正しく識別できていないと後々大きな問題となる。特に、作業範囲については、契約に絡んでくる。法的な問題にもなりかねない。
  • い(意見):リスクについては、常にウォッチしておく姿勢が必要。そのためには、チェックリストを用意し更新していく。契約に絡むところは、必ず文書で残しておく(サイン入り)。それが証拠となる。

<気付き>
リスク管理の重要性。契約の重要性。プロマネは、契約事項については頭に叩き込んでおくことが必要。リスクに関しては、日々、現場で正確な事実を把握する仕組みを持つこと。
u><今日の一言>
リスク管理の意識を常にもとう。問題そのものが問題ではない。問題をコントロールできないことが問題である。」



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<その他>
「うりゃPMP(><;)」さん、PMP合格おめでとう御座います。よかったら、合格のレポートを是非紹介させてください(メール等で送付して頂ければ幸甚です)。私のブログが少しでも皆さんの役に立つことがあったのであれば非常にうれしいです。「うりゃPMP(><;)」さん、PMとしての活躍を期待しています。いろいろな団体や研究会に入って他社の方と勉強するのも刺激になりますよ(世話役をやると苦労するが、見返りも沢山ありますよ)。PMPの後は、ITコーディネーターや技術士を目指してください。本当におめでとう御座います。今後は、もう少しPM関連のSE関連の紹介本を増やして行きたいと考えています。