第83回目「プロジェクト成功への挑戦<3つの力>〜その2〜」(井原弘著)

<ポイント>

  • プロジェクトの各フェーズで要求される事項とは何か。
  • プロジェクトを成功に導くために各フェーズで実施すべき点は何か。

<対象となる人>

  • プロジェクトマネジャ
  • PMO
  • プロジェクトリーダー
  • 経営者

<Principle>

  • スコープを明確にする
  • 正しい計画書を作成する
  • 組織も進捗をチェックし、支援できる仕組みを持つ

この本の興味を持てば→プロジェクト成功への挑戦 3つの力


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プロジェクトの成功が如何に組織力、経営方針と密接なつながりがあるかが分かります。
個人レベルに落として考えると、成功のために周りの環境がいかに重要な要素を持っているかと言い換えることができると思います。
<抜粋>(かっこ内は私の意見)
青(客観重要、まあ大事)赤(客観最重要、すごく大事)緑(主観大切、おもしろい)

1.プロジェクトを計画・実行するPM組織力(前半)

  • プロジェクト・マネジメント・プロセス(PMプロセス)とプロダクト・プロセスは別物

(1)統合マネジメント

  • 要点:①プロジェクト計画策定、②プロジェクト計画の実施、③統合変更管理
  • 現実:現実には、プロジェクト計画書の標準書式とかテンプレートといったものすら整備されておらず、従って計画書そのものがまとまった形になっていないとか、人によって内容や記述レベルがバラバラであるとか、小規模や短期のプロジェクトでは作成しないというような状況が多い。
  • 整備ポイント:プロジェクト・マネジャーが作成するときにできるだけ効率的に作業できるようにするとともに、チェックリストの役割を持たせ品質確保できるようにする。
  • 経営力の整備:ITを駆使したシステム化・自動化を追究すること、再利用するための部ラッシュアップするプロセス・仕組みをもつこと
  • 対応策:①プロジェクトの開始時には、顧客と確認すべき内容を文書ベースで行うべき。②重要なことは書き物(形式化)。③プロジェクト計画書やプロジェクト・プランは、プロジェクトの基本線(ベースライン)として、実施の過程でつねに基準として位置づけ、実績との比較に使用する。

(2)スコープ・マネジメント

  • 要点:①立ち上げ、②スコープ計画、③スコープ定義、④スコープ検証、⑤スコープ変更管理
  • 現実:①プロジェクトが失敗する最大の原因はスコープが明確でないこと、およびスコープの変更についてきちんと管理できていないこと。②どんな難しいことがあっても、プロジェクトの死命を制するスコープの定義だけは最大限の努力をして初期段階で可能な限り詳細化・明確化をしなければならない。
  • 整備ポイント:①プロジェクトで創出するプロダクツを明確にするだけでなく、スコープ計画によってプロジェクトの中間成果物や定量的な達成目標を明記する。②「段取り7分に、実行3分」といった感覚はプロジェクトにこそそのまま当てはまるものである。
  • 経営力の整備:①特に注意しなかればならないのは、スコープ変更。②タイムリーに交渉させることを経営者が明言し、指導しなければ、現場は安易な方向に流れていく。
  • 対応策:①プロジェクトのスコープは最初に明確にしなければならない。②スコープは、プロジェクトの実施機関中、つねに監視し管理しなければならない。③スコープ変更をタイムリーに把握・管理するように、週次報告、月次報告のプロセスのなかでつねに監視し管理するようにする。

(3)タイム・マネジメント

  • 要点:①作業定義(アクティビティ定義)、②作業順序設定(アクティビティ順序設定)、③作業所要時間の見積り(アクティビティ所要期間の見積り)、④スケジュール作成、⑤スケジュール管理
  • 現実:①プロジェクトにとっては、時間の管理はきわめて重要な要素であり、問題プロジェクトの大半は時間的な問題で深刻な事態になることが多い。②タイム・マネジメントは、プロジェクト・マネジメントに対して要求される最も重要な要素である時間、タイミングを適切に管理することである。
  • 整備ポイント:WBSをできるだけ詳細に作成すること。②スケジュールの管理は、進捗管理と同期してスケジュールの遅れ(進み)を的確に把握し、対策を打つことである。③アーンドバリューを使用してスケジュール・バリアンスを見る。
  • 経営力の整備:①見積りを組織だってサポートする仕掛けは、KM(Knowledge Management)そのものである。②スケジュール遅れが発生したら、早期に適切な対策を打つよう、経営レベルがつねに意識を持ち、チェックできる仕組みを作るべきである。
  • 問題の原因:一般的に、見積りをする場合、いろいろなリスクも合わせて見積るが、それらが、どの程度見積りに含まれているか、特に必要時間に関する見積りの根拠がどうなっているかを冷静に見直すことが必要
  • 対応策:①まずは、WBSを十分詳細化して、現実的な必要時間を可能な限り短縮する前提で見直す。②正確な見積りを行えるPM組織力をいかにして実現するかという課題に行き着く。③曖昧な集団主義は、しばしば結果として無責任な意思決定をしてしまう。

(4)コスト・マネジメント

  • 要点:①資源計画、②コスト見積り、③予算策定、④コスト管理
  • 現実:①プロジェクトのコスト・マネジメントと呼ぶには、「論外というべき」程度の低さが横行している場合が少なくない。②企業としての原価管理システムの明快さと透明さに問題がある場合が少なくない。
  • 整備にポイント:①組織的、プロジェクト横断的な見積りサポートの仕組みが望まれる。
  • 経営力の整備:①企業レベルでの作業管理、原価管理のシステムについて、最新ITを駆使して使用できるようにする。
  • 問題の原因:コスト・オーバーの原因=①当初の見積り工数を間違えていた場合、②予定している工数の原価の問題、③設計作業を進めるなかで、当初見積っていた以上の機能グレードになっている場合
  • 対応策:①設計内容を少しでも削減できるように見直し、顧客にも合意をとるように集中的に見直し作業をする。②それぞれの生産性と投入予定の技術者のレベルを全面的に見直す。③比較的安価に想定できる外注化可能な部分を検討する。

(5)品質マネジメント

  • 要点:①品質計画、②品質保証、③品質管理
  • 整備のポイント:①プロジェクトで行うレビューを明確にし、必ず計画にそって実施する。当たり前のこと(A)を馬鹿にせず(B)ちゃんとやる(C)、いわゆる、「品質のABC」こそが、すべての基本。
  • 経営力の整備:①長期的な観点に立って、企業レベルの仕組みとして品質の確保に努める
  • 対応策:①品質計画書はプロジェクト計画書のなかの大きな構成要素である。②品質システムのフレーム造りは、PM組織力の範疇ではあるが、むしろ経営イシューとして捉える必要がある。③経営レベルで「品質」「品質システム」「品質コスト」といったことの重要性を理解することが重要。



<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)

  • こ(根拠):スコープがはっきりしていないと明確なゴールが設定できない。従って、なによりもスコープの定義が重要。
  • れ(例):スコープがはっきりしていないとWBSが作成できない、納品すべき成果物が設定できない。これだと、正確な見積りができないし、範囲がわからないし、第一計画が作れない。
  • ゆ(ユニーク点):ここでも組織の力、経営側のチェックの必要性を強く述べている。
  • か(仮説):WEB関係は短期間でのプロジェクトが増えている。また、費用的にも厳しい。だからこそ、正しいスケジュール計画とコスト見積りが必要。そのためには、企業としてKMの蓄積がますます差別化、競争力強化の要因になる。
  • い(意見):プロジェクト計画作成を面倒に思っているプロジェクト・マネジャーも中にはいるかも知れない。また、作りっぱなしのプロジェクトや、メンバーが内容を知らないプロジェクトもあるかも知れない。何のために計画を作るのかを強く認識する必要がある。

<気付き>
計画の重要性、何をいつまでの実施するか具体的な目標の重要性は、プロジェクトだけでなく、何かをする時には非常に重要なファクターになってくる。
受験勉強のときも、多くの人が計画と日々の目標を立てて実施していたはず。個人の目標も企業レベルの目標も、それを成し遂げるには、戦略と綿密な計画が欠かせない。
<今日の一言>
「目標を具体化しよう。そして、きちんと計画を立てよう。計画は常にチェックして、必要に応じて改訂しよう。」



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