第82回目「プロジェクト成功への挑戦<3つの力>〜その1〜」(井原弘著)

<ポイント>

  • プロジェクトを成功させる鍵はないか。
  • プロジェクトを成功に導くために必要な3つの力とは何か。

<対象となる人>

  • プロジェクトマネジャ
  • PMO
  • プロジェクトリーダー
  • 経営者

<Principle>

  • プロジェクトの成功確率を上げるには、組織力が必要
  • 組織力を向上させるには、仕組みの整備が必要
  • プロジェクト成功の鍵は、PM組織力、リーダー力、経営力

この本の興味を持てば→プロジェクト成功への挑戦 3つの力


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風邪で寝込んでいました。まだ、鼻がズルズル・ムズムズです。
今日から3,4回の予定で、プロジェクト成功への挑戦のエッセンスを紹介いたします。PMBOKにも照らした解説が施されています。
プロジェクト・マネジメントの本ですが、プロジェクトを経営に置き換えても勉強になると思います。違った角度、異なるものと比較して考えて見ると分かる問題もあるます。
<抜粋>(かっこ内は私の意見)
青(客観重要、まあ大事)赤(客観最重要、すごく大事)緑(主観大切、おもしろい)


1.プロジェクトの成功と失敗

  • プロジェクト:独自の成果物またはサービスを創出するための有期活動<PMBOK>
  • プロジェクト・マネジメント:プロジェクトの事業主体や他のステークホルダーのそのプロジェクトに対する要求事項や期待を充足するために、最適な知識、技術、ツールと技法を適用すること
  • プロジェクトの成功:当初計画の所要時間と所要コストの範囲内で当初目標を達成すること
  • 成功へのポイント:リスク管理がきわめて重要な位置づけになっている
  • 成功へのポイント:受注者に過度な負荷をかけるとか、明らかに無理なスケジュールやコストを強要するとか、単にリスクを他者に押しつけるようなやり方は、くれぐれも慎むべき
  • 失敗の言い訳:「将来への投資と考え、貴重な経験としてノウハウを活かす」などという議論は、事後処理としてのご都合主義、事なかれ主義、馴れ合いの発露である
  • プロジェクトが失敗する要因
    • (1)企業外の要因:プロジェクトの初期の詰めの甘さ、範囲定義不十分と共通意識のずれ、顧客とのコミュニケーション・ギャップ
    • (2)企業内・プロジェクト外の要因:経営者や経営のプロジェクト・ビジネスへの認識不足、プロジェクト・ビジネス戦略と経営方針の不明確
    • (3)プロジェクト内の要因:プロジェクト・マネジメントの不徹底、プロジェクト・マネジメント・プロセスの欠如・未成熟、スコープ・仕様の確定・合意の不十分、見積りミス
  • 失敗させないポイント⇒①経営の責任を果たすことが重要、②経営の責任を果たすとは、率先してそのための改革・改善を行うこと
  • プロジェクトを必ず成功させる方法はない⇔成功する可能性、確率を高めることは、本気でやれば比較的簡単に実現可能
  • プロジェクト・マネジャの心構え:ほとんど息つく暇なく押し寄せてくる課題に的確に対処していくことが重要⇒さまざまな問題を解決することで、プロジェクト成功に導く
  • プロジェクト成功のための3つの能力
    • (1)PM組織力:プロジェクト・マネジメント力
    • (2)リーダー力:リーディング力、またはプロジェクト・マネジャー力
    • (3)プロジェクト・マネジメント・インフラ力、または企業力
  • PM組織力=プロジェクト・マネジメントを実際に行うときに、企業として整備しているプロジェクト・マネジメント・プロセスの程度(成熟度)のこと
  • 同じ個人的な能力と持ったプロジェクト・マネジャーでも、そのプロセス力、PM組織力のいかんによってその個人力を発揮できる程度も違ってくる(←組織力がいかに重要な要素であるかということ)
  • 個々のプロジェクトを実施する場としての組織の能力は、直接的にプロジェクトの成功を支えるものである
  • プロジェクト・マネジメントの仕組みの文書化
    • (1)文書化するために文書全体の構成・体系を明確にする
    • (2)テンプレートを多用する
    • (3)だらだらした文章のヤマは絶対に避けるべき
    • (4)つねに全体像を意識する
  • 仕組みを機能させる
    • (1)必要なときに企業内のイントラネットで参照できるようにする
    • (2)できるかぎりテンプレート化する
    • (3)決めたことが徹底できているか確認する
    • (4)大切なのは、使用している人たちから不満とか改善要求などがひっきりなしにあがってきて、いつも改定しているくらいでないといけない。
  • プロジェクトの成功確率を高めるには経営力が必要:PM組織力だけでは十分でなく、そのPM組織力を支え、それを機能させるインフラ力が経営力・企業力である
  • プロジェクトを成功に導く企業にするには⇒リーダー力、PM組織力、経営力という3つの能力をバランスよく強化する
  • 下手はプロジェクト・マネジメント・プロセスを作ると、プロジェクト・マネジャーの足を引っ張るだけで、サポートでなく邪魔をすることになりかねない



<今日の「これ愉快」>(こ:根拠、れ:例、ゆ:ユニーク点、か:仮説、い:意見)

  • こ(根拠):以前に比べプロジェクト・マネジメントがIT業界でも浸透し、各企業においてもツールや技法が整備されてきている。企業自体のプロジェクト・マネジメント力が向上しているため、単純はことが原因によるプロジェクト失敗は少なくなってきているのではないか。日経コンピュータの動かないコンピュータシリーズでも、数年前と失敗の原因は違ってきている。
  • れ(例):個人の力やKKDでは限界がある。企業の成熟度が試されている。CMMIの普及もその現れであろう。
  • ゆ(ユニーク点):プロジェクトの成功を経営力も視野に入れて捉えている。
  • か(仮説):CMMIで組織の成熟度があがれば、組織のメンバーの意識やベクトルが合いやすくなり、プロジェクト成功への確率が増える。
  • い(意見):プロジェクト・マネジャーは組織の方針もよく理解しておく必要がある。また、いつでも組織を巻き込むことができるような対応を考慮しておくべき。プロジェクトの終わりには、必ず組織に教訓をフィードバックさせる。

<気付き>
個人的には、まだまだプロジェクトの成功は、プロジェクト・マネジャーやプロジェクト・リーダーの力量に左右される部分が大きいと考えています。ただ、成功に導くプロジェクト・マネジャーやリーダーを生成することができる組織をそうでない組織があるということは、組織の方針、文化、DNAによるところが実は非常に大きいのかも知れません。
経営面あるいは、個人レベルの面から考えてみると、社員(自分)が成長していないとか、いつも同じような問題が起こるという場合は、それをサポートする仕組みや考え方に不十分な点、間違っている点があると言える。そこにメスを入れないと改善されない。
<今日の一言>
「プロジェクトの成功確率を常に高めるには、組織力、経営力が欠かせない。そして、サポートする仕組みを再考してみよう。」



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