第34回目「売れる営業の法則」(松田綾子著)

購買心理をベースとして営業方法(エモーショナル・マーケティング)について著者の実体験を通じて記載してあり、お客様心理に気付かせてくれます。また、一番商品は自分自身と言われているように、自分を魅力的にする方法についても勉強になります。営業だけでなく、いろいろな分野の人にも参考になるところがあります。
この本に興味を持てば→スゴ腕パワーマネキンが教える!売れる営業の法則
土井さんの書評も参考になるます→ブログ人でビジネス・ブック・マラソン
<ポイント>
①心理学を応用(ベース)した営業
②営業のポイント
③いかにして客の心をつかむか
④日頃からどういう点に注意すればよいのか
<対象>
①販売員、営業員
②営業力をつけたい人
③販売心理とは何かを学びたい人
<Principle>
①客が買いたい状況を作ってあげる
②素の自分を出す
③商品に付加価値をつける
④第一印象を大切にする(自分にエネルギーを)
⑤5つの販売トークを使い分ける
⑥商品のライフサイクルを知る
<抜粋>(マインドマップでの幹は5つ)
1.売れる営業

  • 一番商品:自分自身
  • 商品自体を売ろうと考えてはいけない
  • 買いたくなるような雰囲気を演出する
    • 楽しい人生のワンシーンを演出
    • 自分自身を重要人物に見せる
  • 日常から営業シーンに置き換えるとどういうことかという視点をもつ
  • 圧倒的な魅力をつける←基本:商品にまつわる小話を用意
  • 度肝を抜くシチュエーション作りに努力
  • 相手が聞きたいこと(耳よりな情報)をしゃべる
  • 宣伝文句をしゃべるのは後回し
  • アイキャッチ
    • 相手が困っていることの見極め
    • その問題点に焦点
    • 私は解決法を知っている
  • オート・クライン機能:自分が口に出してしゃべったことを自分の耳で聞いたとき、初めて理解すると言う機能→説得は無駄、客自身から「それが欲しい」と言わせる
  • ライフサイクルに合わせた販売方法を考える:流れを良くする→売れない時期に念入りなした準備をすることが必要
  • 初対面で大切なこと:どれだけ相手のことを調べられるか
  • 見る−見られるの関係→自分自身が上質な見世物であれ
  • エネルギーの強いものが見られる側に立つ
  • お客さんを感動させる→良い意味での裏切り(ギャップ)

2.言葉を発する前に勝負はついている

  • 人は段階を踏まないと買わない
  • 段階を踏んで一番売りたい商品に近づいて頂く
  • 魅力的な商品:それを買ったときのカッコいい自分の姿が想像できる商品
  • 手書きの文字がびっしり書かれているものを見たがる
  • 買ってくださいではない→「こういうことを教えることができますよ」メッセージ発信

=「モノ」を売るのではなく「楽しいシーン」を売る

  • 営業の三種の神器:「ONの姿勢」「ONの顔」「ONの声」
  • メラビアンの法則:初対面の判断=声38%、表情55%→第一印象=見た目→他人に見せるための姿勢
  • 身体と感情:連動している

3.言葉の内容より言葉の発し方で勝負は決まる

  • 「素」の口調で「素」の抑揚で話す
  • 「カッコいい」と思っている口調→多くの場合他人からみると最も「カッコ悪い」口調
  • 相手にモノが売れるのは「二人称トーク」だけ:話し方も文章も(皆さん→あたなに)
  • ONの声:普通のトーンであるが特定の人に照準を絞って話しかけられる声
  • テンションの上げ方:腹筋を使って大きな声を出すこと
  • 人は理屈でモノを買うのではなく、感情で買う
  • どのタイミングで話しかけるか:入店する瞬間のお客さん→自分のプロ意識を伝える

4.何をしゃべるか

  • 5つの魔法のセリフ
    • つかみトーク(限定品です)
    • 逃げ道トーク(必ずしも買わなくてもよい逃げ道をつくっておいてあげる)
    • 営業トーク
    • 煽動トーク(お急ぎください)
    • 殿様トーク(明日は着ませんよ)
  • 売り付けられるものは嫌だが、皆が欲しがるモノは欲しがる
  • 第一印象:自分に敬意を払ってくれたと思わせることだけに集中
  • 商品に関心のない人にはスルーしてもらう
  • 繁忙期より閑散期に頑張る
  • 買うための大義名分が必要
  • 無意識に欲しがっている答を用意してあげる
  • 商品が欲しい理由をお客さん自身が見つけられるように前もってヒントだけ与えておく

5.人材

  • 一番状態の良い時の素直な自分になれるようにコントロールする
  • 人前で素で大声を出せる度胸→「複式呼吸」「早口言葉」「お笑い」
  • どうせ同じ時間働く→気分良く、楽しく、頭を使って、ゲーム感覚で働く
  • 他人に好かれる→好かれるような自分になる
  • 早口言葉:ハヘヒフヘホハホ
  • 素の自分をぶつける→お客さんも心を開いてくれる



気付き
客の立場になって考えて見るとよく分かることが記載されている。
例えば、期間限定商品が欲しくなったり、買う時はまず自分を納得させてから買うこと等、この当たりの心理について学ぶことができる。
買うかどうか迷っているときには、後押ししてくれるヒント、大義名分を与えてくれれば(自己)納得でき購入する方向に傾く。
商売は人と人(インターネットにおいても)で行うことが基本。
つまり、売る人に魅力があり、その人が自分をその他大勢としてではなく特別な人として扱ってくれると、その人のファンになり、買ってしまうこともあるだろう。
また、第一印象の重要性やエネルギーのある人、自分自身を売り込める人になることは営業だけでなく、どの分野においても必要とされるスキルである。
魅力ある自分を作るノウハウについても気付きを与えてくれる。