第33回目「新事業創出促進法 最低資本金規制特例」(経済産業省)

以前このブログで「失敗しないゼロからの起業」を紹介しました。そこで、起業について調べて見たく、大阪産業創造館で起業に関する講演があったのでその内容と、経済産業省が出しているパフレットをベースに記載しています。
パンフレットは、経済産業省のHPから入手可能です→経済産業省
起業で日本を活性化するプロジェクトもあるようです→ドリームゲート
ドリームゲートのチーフプロデューサーの吉田さんのブログは→社長になろう
パンフレットに対するフォトリーディングです。ほぼ全て読んでしまいましたが。
<ポイント>
①円でも会社を設立できる新事業創出促進法を活用した会社設立の仕方
②起業する前に考慮しておくこと、注意しておくこと((株)関西ベンチャーインキュベート 岡森氏、ソズ コーポレーション株式会社 富永氏の大阪産業創造館での講演の内容から)
<ここから得られること>
①会社設立の方法
②最低資本金規制特例とは何か、その使い方
③起業における注意点
<対象>
①これから起業を考えている人
  
幹は5つ。
1.最低資本規制特例の手続き(概要)

  • ①定款の作成・認証
  • 創業者であることの確認手続き
  • ③設立登記
  • ④最低資本金以上とする増資(5年以内:株式会社は1000万、有限会社は300万→H18では商法が改正され撤廃される可能性大)
  • 5年以内に最低資本金に達していない場合→解散となる
  • 資本金は1円で設立できるが、定款認証料等の費用が株式会社設立で30万、有限会社設立で20万必要
  • 役員の人数等については、商法、有限会社法通り

2.創業者とは

  • 以下の3つを全て満たしていること
    • 事業を営んでいない個人(給与所得者(サラリーマン)、専業主婦、学生、失業者、代表権のない役員、年金生活者等)
    • 2ケ月以内に新たに会社を設立する者
    • 会社を通じて事業を開始し具体的な計画を有する者
  • 創業者は発起人又は社員(出資者)として参加する必要あり

3.確認申請手続き

  • 定款の作成・認証
    • 公証人の認証が必要
    • 解散事由を記載する(5年以内に最低資本金以上が増資できていない場合は解散することを明記)
  • 事業を営んでいない個人であることの証明(創業者の条件)
    • 給与所得者:源泉徴収票のコピー等
    • 専業主婦、学生:健康保険被保険者証のコピー等
    • 確認申請書の提出先:会社の本店所在地を管轄する経済産業局

4.義務

  • 解散事由の記載・登記
  • 成立の届け出
  • 配当制限の特則
    • 通常の会社:営業年度末の純資産額から資本の額を控除して配当可能利益を算出
    • 確認株式会社、確認有限会社:資本の額にかえて最低資本金額を控除(株式会社なら1000万)
  • 計算書類の提出:貸借対照表損益計算書

5.注意点(これは講演の内容から)

  • 開業率(約4%)<廃業率(約6%)
  • 商法の最低資本金規制:株式会社は1000万、有限会社は300万→最低資本金規制に関する特例で5年間は規制されない→1円で会社設立可能(ただし、5年以内に最低資本金に達する必要がある→商法が改正され撤廃される可能性大)
  • 個人事業が良いのか、会社が良いのかを検討しておくこと
  • 儲かっていると会社の方が良い(税率:個人は超過累進課税、会社は比例税率→個人だと儲かれば税率が高くなり税金が高くなる→儲かっていない場合は逆に有利(利益1000万が分岐の目安))
  • 株式会社か有限会社か:信頼度は株式会社の方がある→商法が改正されると株式会社に一本化される可能性大
  • 開業資金と最低資本金は違う→資本金を1円で会社設立しても当然ながら開業資金は必要
  • 損益計画と収支計画
    • 損益計画だけでなく収支計画も考慮しておくこと
    • 事業が軌道に乗り出す前に運転資金がなくなるケースもある
    • 売上回収時期(期間)(実際に現金が入ってくる時期)を考えておくこと
  • 事業展開するタイミングが大切
  • 起業家:自分で決断、仕事を創出→サラリーマン時代の考え方では通用しない



気付き
最低資本金規制特例により、1円でも株式会社が設立できるようになった。
この主旨は、事業を始めたいが設立するためのお金がなかなか集められずビジネス機会を逃している人や、(有限会社設立に必要な)300万がなくとも始められるビジネスを考えている人を応援するもの。
適用外期間は5年なので、5年で有限会社なら資本金を300万にする必要がある(但し、商法が改正され撤廃される可能性あり)。
資本金がいくらで設立できるにせよ、起業してからが大変(勝負)。
設立時の計画としては、損益計算だけでなく収支計画を考えておかないと事業が軌道に乗り始める前に(運転)資金不足となる可能性がある。
資金は自分で集めるのが一番であるが、素晴らしい事業計画であればエンジェル(スポンサー)がついてくれることもありえる。
また、開業・運用資金がない場合はリスクを最小限に抑え、ゼロになっても生活ができるように考えておくことも必要。