第32回目「最強の記憶術」(アンドリュー・スミス・ルイス著)

記憶の方法よりも、記憶の仕組み(脳の仕組み)、理論的な説明を中心に説明された本です。記憶とは脳のどう言った仕組みから成り立っているのかが、分かりやすく記載されています。物覚えが悪いと感じている方や、試験のため記憶力をよくしたい方で、まず記憶の仕組みを理解しておきたいという方に役立つかと思います。
また、フォトリーディングで使っている「アファメーション(活性化)」についても述べられています。
ただ、後半は作者作成ソフトの紹介になっています。
この本に興味を持てば→最強の記憶術 Learn Faster, Remember Longer !
なお、この著者が提唱しているセレゴ・メソッドとその理論から作成されたMILAソフトが付属しています。(ソフトには英単語がいくつかサンプルとして入っています)
MILA PC体験版は、セレゴ・ジャパン株式会社殿のHPからもダウンロードできるようです→http://www.cerego.co.jp/index.htm
幹は4つ。
1.間違いだらけの記憶術

  • 記憶とは「ニューロンの反応」
  • 覚えるのが苦手の原因:①覚えるための方法が正しくない、②記憶の仕組みについて知らない

2.記憶する仕組みと忘れる仕組み

  • 記憶:「覚える」「とどめる」「引き出す」
  • チャンク:情報のかたまり(例:NHK、CNN)
  • チャンク化できれば、短期記憶の容量に収めることができること
  • 短期記憶:数秒から数十秒は意識の中に残っている記憶
  • 長期記憶:すぐに消えない記憶
  • ファミリア:弱い記憶、あいまいな記憶
  • アクティベーション(活性化):すでに記憶にある情報を刺激する→長期記憶は強くなる
  • リコグニション:選択肢から答を選べられる記憶
  • リコール:必要なときに引き出せる強い記憶
  • 長期記憶:何度かのアクティベーションを繰り返すことによって徐々に強い記憶に変わる
  • 効率の良い記憶:ファミリア→リコグニション→リコールへの変化をコントロール

3.脳の中では何がおきているのか

  • ヘブの法則:二つのニューロンが同時に発火することによって、シナプスが強くなる
  • 海馬:記憶の番人
  • 不要な記憶は捨てられる
  • 側頭葉:比較長時間とどまってる記憶を保管する「記憶の倉庫」
  • 海馬:忘れっぽい
  • 海馬:知っている単語がくると門前払い、知らない単語がくると前頭葉に問い合わせる
  • たまたま憶えたけれど重要でない情報の記憶は忘れられるような仕組みができあがっている

4.強い記憶の作り方

  • 分散学習で憶えた記憶:明らかに忘れにくい
  • いかに効率的に記憶させるか→ポイントは海馬をいかに通過させるか
  • いかに「知らない情報」として海馬に認識させるかを考える必要がある
  • 知っている情報を知らない情報に変える戦術=時間が経つのを待つこと
  • 記憶の定着を良くする→間に睡眠を入れる
  • 一番効果的な分散学習:海馬が忘れるのに十分な間隔をとって睡眠を間にはさんで、一度に少しずつの分散学習を実践できれば、憶えたい情報を効率的に記憶として定着させることができる
  • 干渉:同じような情報を学習しようとすると憶えたばかりの情報同士がけんかしてしまい、すぐに忘れてしまうこと
  • メタ記憶:記憶についての認識
  • 現実と認知のズレ:モニタリング→コントロール→モニタリング



気付き
記憶を定着化させるには、脳に対してアファメーション(活性化)が必要。
フォトリーディングで、アファメーション(活性化)が必要であるのも、フォトリーディングした内容を思い出す手がかりになるということと、対象としている本から必要とする情報を抜き出すために脳への問いかけを行い情報を引き出すためであるとこの本を読んで理解できた。
海馬が憶えていると思っている間は、繰り返し記憶しても無駄で、海馬が知らないと認識しているときに繰り返し学習することで記憶を効率よく確かなものにしていける。
そういう意味で、記憶に関する学習は集中より分散の方が良い。
後は、昨日の吉田氏の本で記載されている様に、常に記憶したい情報を回りにおくことや、連想、イメージを使って記憶することを応用したい。
映像については、紳助が以下の様なことを言っていたのを思い出しました。
「少し見聞きしたことをさも実体験した様に話せるのは、頭でさもその場にいる様に映像をイメージして、その映像を離しているから。映像を話しているので、細部まで詳しく伝えることができる。」
イメージにすると、脳が活性化されるとともに、それを本当に実現(体験)している様に思い込んでしまうのかも知れません。
私もフォトリーディングするときには、必ずアファメーションして読んだ内容は記憶され、引き出すことができるとイメージしています。