第23回「SEで成功する人 ただのSEで終わる人」(高橋浩一、ITキャリア研究会 著)

技術の進歩が早く、覚えることがたくさん有りすぎ、自分の技術力や将来に不安を抱えるSEも多いかと思います。
この本は、これからのSEが進むべき一つの方向性(案)を記載されています。
この本に興味を持てば→SEで成功する人 ただのSEで終わる人 ―ITキャリアで勝ち残る7つの法則
幹は5つ。
1.ITキャリアクライシス

  • ITキャリアクライシス:自己のスキルを他人と差別化できず、人件費圧縮のトレンドに抵抗できないまま、年収が下降するリスク
  • ITコンサルタント:企業の戦略立案とシステム開発の中間に位置し、経営戦略とITを活用したソリューションとを結び付ける役割を担う存在
  • SEの仕事:顧客が自社でもできることをコスト見合いで外注できる仕事
  • ITコンサルタント:顧客では対応できない上流から下流工程を一貫して請け負う

2.勤勉幻想

  • 仕事の忙しさにかまけて自分の将来のキャリアを考えない=人生の貴重な時間を他人に捧げている
  • 自分のキャリア:思いっきり我がままに、自分本位の将来ビジョンを作る
  • スキルの視点:①業務スキル(一般スキル)、②ジョブスキル(専門能力)、③テクニカルスキル(技術力)、④コンセプチュアルスキル(思考力)
  • ナレッジの視点:①企業経営全般の知識、②コンサルティング方法論の知識、③顧客企業の属する業界知識、④顧客企業の事業構造に即した業務知識
  • 組織人の視点:①顧客との関係、②上司との関係、③チームメンバとの関係、④部門調整
  • 資質の視点:①価値観、②想像力、③行動力、④調整力、⑤好奇心、⑥思いやり

3.キャリア開発の脳のバランス

  • 自己変革できないプロジェクトマネジャ→生き残れない
  • 環境:必ず変化する→変化に適応できないと生き残れない
  • ハイタッチ:人間的な要素が重要になる

4.勝ち残る七つの成功法則

  • 成功法則1:左脳を生かすシステム思考を身に付ける
    • 付加価値=知恵を出すこと
    • ワークショップ:第三者でなければ提供できない付加価値が要求される
    • システム思考=最強の論理的思考法、物事の全体を見るための考え方
    • ファシリテーションの目的:説得ではなく、納得させること
  • 成功法則2:右脳を使って直感力を伸ばせ
    • 作図の極意:①過去の事例を見ながらパターン認識、②図で考えるクセ、③質より量、④ディテールに凝らない
  • 成功法則3:ビジネス知識を増やす
    • 企業経営に関心を持つ
    • 資格にすがる時代は終わっている
    • ITコンサルタント:仕事を通じて成長する
  • 成功法則4:コミュニケーションケア実践マニュアル
    • 自分のプロジェクトのリスク管理サイクルを持つ
    • プロジェクト全体最適の視点で考え、相手に伝える
    • 想像力を働かせる=相手を思いやること
  • 成功法則5:プレゼンテーション力
  • 成功法則6:自分のやりたいことを大切にする
    • 自分の「こだわる」部分を大切に育て、やりたいことに結び付ける
    • 今の仕事と本当にやりたいことの接点を探す
  • ITキャリアを語り合える仲間をつくれ

5.ITコンサルタント

  • 最後は自分の問題解決力と直感力
  • スーパーゼネラリストを目指す:新しい付加価値を創造していける人



気付き
自分のキャリアを真剣に考えることが必要。
IT業界では、今後は益々価格が安くしかも優秀な外国人(中国やインド)のSEやPEが増えてくると思われます。
また、技術革新のスピードも加速していくでしょう。
そういった中で、SEとして生き残る、一流のSEになるにはどうすべきか。
何を目指していくべきか。
どういう技術を習得していくべきかを考えさせてくれます。
  
年末に高橋先生の講演が大阪で予定されていましたが、人数の関係でキャンセルされました。
機会があれば、是非受講してみたいです。

ハウルさん。これも一種の成功本かもしれません。
ただ、成功オタクにならないため、自分で続けられると思ったことは行動に移して自分で試して見ることが重要だと思います。
先日の本のタイトルではありませんが、どうすれば良いかについては知っている人は多いが、実際に実行している人は少ないのかも知れません。