第64回目「PMP受験対策〜アウトプットから憶えるPMP対策」(ストーリ編)

参考図書は以下の通りです。
・PMBOKガイド:2000年版
・Porject Management Professional(PMP教科書)(翔泳社
・PMP試験実線問題(オーム社
・よくわかるPMP認定試験合格対策(技術評論社
・PMP試験対策講座1 基礎編(翔泳社)(→iPOD等に録音し通勤時間等で聞くと良)
Pmp Exam Prep(Rita本)(随時使用)
私が考えるアウトプットからみたストーリーを記載しますので参考にして下さい。但し、見るだけでなく、必ず自分なりの言葉で整理しなおし、口に出して憶えてみてください(オートクライン機能を活用してください、オートクライン機能については1/23のブログも参照して下さい)。また、他によい憶え方があれば教えてください。(ここでは、あくまで各プロセスのアウトプットを出すストーリーの考え方を主体にしています。各項目が意味するものについては調べておいてください。)
※暗記用カードを作成しました暗記用カード
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以下では、本ブログで記載した<ストーリー>のみを抜き出しました。
※NEW:本日のブログの内容は、ストーリー編としてワード版でも作成しました。良かったらダウンロードして活用して下さい。PMPストーリー編
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「立上げ」「スコープ計画」「スコープ定義」「完了手続き」「契約完了」は、各項目を憶えておいた方が良いようです。


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<1回目:プロジェクト・スコープ・マネジメント>
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1.立ち上げのプロセス
プロジェクトの開始を公式に承認するプロセス
<ストーリー>
プロジェクト憲章でプロジェクトの承認を正式なものにする。
→何を元にプロジェクトを承認できるのか(インプット):
それには、プロジェクトの製品や特性を知る必要がある(成果物記述書)、組織としての戦略と一致しているかを確認する必要がある(戦略計画)、組織としての選定基準に照らし合わせる必要がある(プロジェクト選定基準)、成功するかの参考にある過去のプロジェクトを知る必要がある(過去の情報)。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
プロジェクトの選定を判定する手法(プロジェクト選定手法)を用いたり、専門家に聞いたり(専門家の判断)する。
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2.スコープ計画
プロジェクトの目標や成果物などを記載したスコープ記述書を作成するプロセス
<ストーリー>
プロジェクトの目標や成果物等を記載したスコープ記述書を作成する。
→何を元にしてスコープ記述書を作成するのか(インプット):
成果物を知りためにプロジェクトの製品や特性を記した成果物記述書や、立ち上げプロセスで作成したプロジェクト憲章などをもとにする。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
成果物を理解するため成果物記述書をもとに成果物分析を行う。また、費用効果を知っておくために便益・費用分析を行ったりする。他には、代替案の識別や、専門家の判断を仰いだりする。
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3.スコープ定義
プロジェクトの主要な要素成果物をより管理しやすい単位に細分化し、プロジェクトの全作業をWBSとして作成することである。
<ストーリー>:プロジェクトの成果物を管理しやすいように分割するためWBSを作成する。
→何を元にしてWBSを作成するのか(インプット):
前プロセスであるスコープ計画で作成したスコープ記述書スコープをもとにする。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
スコープ記述書をWBSの形になるように要素分解要素する。また、過去のプロジェクトのWBSをテンプレートとして利用する。
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4.スコープ検証
ステークホルダーからプロジェクト・スコープについて、公式の承認を受けるプロセス
<ストーリー>:スコーププロセスで作成してきたアウトプットを公式に受け入れる(公式な受け入れ公式な)。
→何を公式に受け入れるのか(インプット):
プロジェクト・スコープ・マネジメントの各プロセスで作成した、WBSスコープ記述書などをもとに作成する。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
インプット情報を検査し、公式に受け入れるかを決める。
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5.スコープ変更管理
<ストーリー>
スコープが変更されるためにスコープ変更、他に他の変更管理システムと同様に是正処置教訓改訂ベースラインがある。
→何をもとに変更管理を行うのか(インプット):
スコープ・マネジメント計画書に基づいて実施する。スコープを変更するためスコープ定義のアウトプットであるWBSを参照する。また、変更に当たっては変更要求実績報告書も参照する。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
スコープ変更管理システムに則り実施する。また、実績報告書に対して実績測定を行う。


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<2回目:プロジェクト・タイム・マネジメント>
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1.アクティビティ定義
WBSから要素成果物を作り出すために実行しなければならないアクティビティを特定し文書化する。
<ストーリー>
プロジェクトで実行するすべてのアクティビティをアクティビティ・リストとして文書化する。
→何をものにして作るのか(インプット):
WBSやプロジェクトの妥当性、目標を確認するためスコープ記述書をもとにする。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
WBSを要素分解する。
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2.アクティビティ順序設定
アクティビティが定義されれば、次にアクティビティの順序を決める
<ストーリー>
アクティビティ相互間の論理的関係(依存関係)をプロジェクト・ネットワーク図として表示する。
→何を元に作成するのか(インプット):
アクティビティの順序を決めるためにはアクティビティの一覧としてアクティビティ・リストが必要。また、成果物の特性が順序に影響を及ぼすためスコープ記述書も必要。そして、アクティビティ相互間の依存関係を確認するため強制依存関係任意依存関係外部依存関係外部を考慮する。また、イベントを設定するためマイルストーンの考慮する。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
アクティビティの依存関係を表すために、PDMADM条件ダイアグラム法(GERT)を用いる。
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3.アクティビティ所要期間見積り
各アクティビティに要する所要期間を見積もる。
<ストーリー>
アクティビティに対する一覧(アクティビティ・リスト)、順序(プロジェクト・ネットワーク図)が決まったので、今度はアクティビティの所要期間を見積る(アクティビティ所要期間見積り)。
→何を元に見積るのか(インプット):
まず、どのようなアクティビティがあるかを確認するためアクティビティ・リストが必要。次に、どのようなリソースを割り当てるかで所要期間が変わるため、資源に対する要求事項資源能力を考慮する。また、リスクも期間に大きな影響を与えるため、識別されたリスクも考慮する。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
過去の事例から見積ったり(類推見積り)、定量的に成果物の数量に生産性を掛けて見積る(定量ベース所要期間)。また、リスク対応のため予備時間(コンテンジェンシー)を追加しておく。
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4.スケジュール作成
アクティビティに対し、一覧ができ、順序が設定され、各アクティビティの所要期間も分かったので、各アクティビティの開始日と終了日が記述された線表であるプロジェクト・スケジュールを作成する。
<ストーリー>
アクティビティの順序と所要期間からプロジェクト・スケジュールを決める。 
→何を元に決めていくのか(インプット):
アクティビティ順序設定で作成したプロジェクト・ネットワーク図、アクティビティ所要期間見積りで作成したアクティビティ所要期間見積りをベースとする。また、依存関係を正確に定義するためリードとラグを考慮する。他にはどういうリソースがいつ入るかを考慮するため資源に対する要求事項資源プール記述書、プロジェクトの作業日を考慮するためプロジェクトのカレンダーを知っておく。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
決められた納期に入れるためには、クラッシングやファスト・トラッキングを用い所要期間の短縮を図る。また、リソースが偏らないように資源平準化の経験則を用いる。他には、CPMやPERT、GERTといった数理解析を行ったり、モンテカルロ法に代表されるシミュレーションを用いる。
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5.スケジュール・コントロール
スケジュールの変更をコントロールする。
<ストーリー>
スケジュールに関する変更情報をスケジュール更新版に反映する。 
→何をもとに変更する(インプット):
スケジュールの変更はプロジェクト・スケジュールに対して行う。変更されるのであるから、変更要求が発生している。また、実績も確認する必要があるため実績報告書で実績を確認する。スケジュールの変更手順については、スケジュール・マネジメント計画書を参考とする。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
スケジュール変更管理システムに則って実施する。実績については実績測定や、差異分析を行う。


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<3回目:プロジェクト・コスト・マネジメント>
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1.資源計画
プロジェクトのアクティビティを実行するために、どのようなリソース(人、機器、資材)をどれだけ使用し、いつ必要になるかを決定する。
<ストーリー>
コストを計算するためどういう資源が必要にあるか資源に対する要求事項を決める 
→何を元に資源に対する要求事項を決めれるか(インプット):
WBSのワークパッケージを実現するための資源なのでWBS、プロジェクトの妥当性を目標に合わせた資源を使う必要があるためスコープ記述書、どのような資源が利用できるのかを知るため資源プール記述書、各アクティビティの作業時間にあった資源が必要なのでアクティビティ所要期間見積り 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
資源のプール状況を整理するためPMSを利用する。他には、専門家の判断代替案の識別
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2.コスト見積り
プロジェクトのアクティビティを完了するのに必要な資源コストの見積りを行うプロセス
<ストーリー>
プロジェクトに要する資源に対するコスト見積りを行う。 
→何を元にコストを見積りのか(インプット):
WBSで定義した作業を完了するためのコストなのでWBS、資源計画のアウトプットである資源に対する要求事項、価格を計算するためには資源レートも必要、資源を要する期間を知るためアクティビティ所要期間、それにある程度のリスク分も考慮する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
見積りの方法としては、類推見積り係数モデル見積りボトム・アップ見積りを用いる。
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3.コストの予算化
コスト見積り全額を個々の作業(アクティビティ、ワーク・パッケージ)に割り当て、プロジェクトのコスト実績を把握するためのコスト・ベースラインを設定する。
<ストーリー>
見積ったコストをコスト・ベースラインとして設定する。 
→何を元に設定するのか(インプット):
見積ったコスト見積り、いつどの作業でコストが発生するかを確認するためプロジェクト・スケジュール、リスクに対するコスト方針を確認するためリスク・マネジメント計画、各アクティビティに対するコストを割り当てるためWBS 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
コスト見積りと同様にコストを予算化するツールと技法
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4.コストコトロール
コスト・ベースラインに対して変更をもたらす要因に働きかけ、変更をマネジメントする
<ストーリー>:最も妥当と考えられるプロジェクトコストとして完成時総コスト見積り(EAC)を出す、ベースラインが変更されるので予算更新版コスト見積り改定版、計画に戻すために是正処置 
→何の影響で差異が発生し何を元にマネジメントするのか(インプット):
コストの予算化のアウトプットでありコスト計画のベースとなっているコスト・ベースライン、計画との差異の実績を把握するため実績報告書、予算の増加や削減等のコストに対する変更要求 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
コスト変更管理システムに則って実施する、実績については実績測定を行う。


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<4回目:プロジェクト・品質・マネジメント>
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1.品質計画
どの品質規格がプロジェクトに関連するかを特定し、どのようにそれを満足させるかを決定すること。品質方針を守る方法を計画する。
<ストーリー>
品質方針を守るための方法として品質マネジメント計画書、品質管理の対象と計測方法を記載した運用基準 
→何を元に運用基準を決めるのか(インプット):
組織が持っている品質方針、適用分野特有の標準と規制、そして品質管理対象となる対象を知るためにスコープ記述書成果物記述書 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
費用効果を考えるため便益・費用分析品質コスト、他のプロジェクトと比較するためベンチマーキング、構成要素の関連を知るためにフローチャート、どの要因が最も影響を与えているのかを知るために実験計画法
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2.品質保証
プロジェクトが適切な品質規格を満足することに確信を与えるため、品質システムの中で実施されるすべての計画的かつ体系的な活動。品質保証のプロセスはプロジェクト全体を通して実行すべきである。
<ストーリー>
品質を維持するためのプロセスが正しく実施されているかをプロジェクト全体を通して品質改善していく。 
→何を元に品質改善するのか(インプット):
品質の測定結果を確認する必要があるため品質管理の測定結果、品質保証での計測方法として品質計画のアウトプットである運用基準、また品質マネジメント計画書を参考にする 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
品質管理のツールと技法(便益・費用分析、ベンチマーキング、フローチャート化、実験計画法、品質コスト)や、品質を監査するため品質監査
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3.品質管理
プロジェクトの結果が品質規格に適合しているかどうかを判断するために結果を監視し、不満足な結果であれば原因を除去するために方法を特定する。
<ストーリー>
品質基準を維持できているか検査結果をもとに受け入れの決定を行う。不合格のものは手直しを実施する。また、品質保証と同様に品質改善を行い、測定の結果によっては是正処置を行うためプロセスの調整を実施する。 
→何を元に合否を判断するのか(インプット):
プロジェクト計画のアウトプットである作業結果、品質計画のアウトプットである品質マネジメント計画書運用基準チェックリストを元にする 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
品質管理のインプットの情報を検査する。検査には管理図パレート図統計的サンプリングフローチャート傾向分析を行う。


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<5回目:プロジェクト・人的資源・マネジメント>
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1.組織計画
プロジェクトでの役割、責任、および報告関係を明確にし、文書化し割り当てる。
<ストーリー>
プロジェクトでの役割、責任を明確にするため役割の責任割り当てRAMの作成)を行う。また、要員の配置タイミングを要員マネジメント計画書としてまとめる。 
→何を元にして役割を決めるか(インプット):
プロジェクトの作業中に発生する報告関係であるプロジェクトのインタフェース組織間技術的個人間)や、どういう要員を割り当てるかを確認するため要員に対する要求事項を元にする。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
組織の持つチーム運営方針である人事慣行や、どのような組織にするか組織論で考える。
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2.要員調達
必要な人的資源をプロジェクトに任命し作業につかせる。
<ストーリー>
プロジェクトに必要な要員を集めメンバーとするため、任命されたプロジェクト要員を決める。 
→何を元にチームメンバーを決めるのか(インプット):
どういうメンバーをプロジェクトに参加させるかを調べるため、要員プール記述書を見る。また、いつどのように要員を確保するのかを確認する必要があるため、要員マネジメント計画書を参照する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
要員を調達するために他部門長と交渉を行ったり、事前に任命する(先行任命)ことで確保したりする。
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3.チーム育成
チームとしてまとまって機能するように、チームとしての能力を高める。チームの成熟度は、成立期→動乱期→安定期→遂行期と推移する。
<ストーリー>
チームの能力を高め、チームとしての業務遂行能力の向上を図る。
→何を元にチームを育成するのか(インプット):
チームを構成するプロジェクト要員に対して行う。メンバーはプロジェクト計画書に従い作業を実施する。また、人的資源については、組織計画のアウトプットである要員マネジメント計画書に記載してある要員の投入時期と引き上げ時期を参考にする。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
チームメンバー(プロジェクト要員)の育成には、一般的なマネジメントスキル(問題解決力、交渉力、コミュニケーション力等)を用いる。また、コミュニケーションを円滑にするため作業場所の集結を実施したり、動機付けのために報酬・表彰制度を活用する。


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<6回目:プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント>
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1.コミュニケーション計画
誰が、いつ、どのような情報を必要とするか、またその情報を誰が、どのように提供するかといった、ステークホルダーの情報とコミュニケーションのニーズを提供すること。
<ストーリー>
情報配布と収集の仕組みといったコミュニケーション(内部と外部、公式と非公式、縦方向(組織の上下)と横方法(同僚))の方法をコミュニケーション・マネジメント計画書に記載する。 
→何を参考にコミュニケーション・マネジメント計画書を作成するのか(インプット):
ステークホルダーの情報についての要求事項を文書化したコミュニケーションに対する要求事項、情報ニーズの緊急性や技術の利用可能性、プロジェクト要員配置といったプロジェクトに影響を及ぼすコミュニケーション技術の要素 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
ステークホルダーの情報ニーズを分析するためのステークホルダー分析
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2.情報配布
必要とされる情報をタイムリーにステークホルダーに提供すること。
<ストーリー>
プロジェクトの作業結果をプロジェクト報告書や、プロジェクト記録としてステークホルダーに情報配布する。 
→何を元にしてプロジェクト報告書を作成するのか(インプット):
プロジェクトの作業結果をもとに、コミュニケーション・マネジメント計画書に従って配布する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
情報を正しく受け渡すためのスキルであるコミュニケーション・スキルや、情報を共有するためのツールである情報検索システムを活用する。また、会議やメールといったような情報の配布方法(情報配布手法)を用いる。
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3.実績報告
プロジェクト目標の達成に向けて、どのように資源が使われているかに関する情報をステークホルダーに提供するため、実績情報を収集し、配布すること。
<ストーリー>
実績情報を収集・分析した結果をまとめた実績報告書を作成する。 
→何を元に実績報告書を作成するのか(インプット):
作業結果をもとにプロジェクト計画書で定義したベースラインとの違いを分析する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
プロジェクト状況を把握するために会議を開き実績レビューを行う。また、計画との差異分析、時系列での実績の傾向を分析するための傾向分析出来高と実際のコストを分析するためのアーンド・バリュー分析、コミュニケーションスキルや情報配布手法といった情報配布のツールと技法を活用する。
<EVの計算>(※ 全てEVを元に計算する(右辺の最初にくるのはEV))

  • コスト差異:CV=EV−AC
  • スケジュール差異:SV=EV−PV
  • コスト効率指数:CPI=EV/AC
  • スケジュール効率指数:SPI=EV/PV

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4.完了手続き
プロジェクトの完了を正式なものとするために、プロジェクトの結果を文書化すること。
<ストーリー>
プロジェクトの完了を正式なものとするためにプロジェクト記録の一式であるプロジェクト公式記録を作成し、プロジェクトの成果物を正式文書で確認しプロジェクトの終了とする。また、次のプロジェクト活動に活用するためにも、プロジェクトを通して得られたことを教訓としてまとめる。 
→何を元にプロジェクトの公式記録を作成するのか(インプット):
これまでの実績に対する分析結果を文書化した実績測定に関する文書、成果物を確認するため成果物に関する文書を元にする。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
実績レビューや差異分析、傾向分析、EV分析といった実績報告のツールと技法、プロジェクトの作業結果の正式な報告であるプロジェクト報告書などを活用する。


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<7回目:プロジェクト・リスク・マネジメント>
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1.リスク・マネジメント計画
プロジェクトのリスク・マネジメント活動に対してどのように取り組み、計画するかを決めるプロセス
<ストーリー>
リスク対応への方針、リスク・マネジメント活動への取り組みについての方針や手順をリスク・マネジメント計画書に記載する。 
→何を元にリスク対応方針を決めるのか(インプット):
プロジェクトの方針としてのプロジェクト憲章、組織のリスク対応方針である組織のリスク・マネジメント方針、誰がリスクに対する意思決定をするのかを定義した役割と責任の定義ステークホルダーごとに異なるステークホルダーのリスク許容度、どの作業にリスクが発生するかを確認するためのスコープ定義のアウトプットであるWBS 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
参加者のリスクに対する対立を調整するための会議である計画会議を通して、リスク・マネジメント計画書を作成する
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2.リスク識別
どのリスクがプロジェクトに影響するかを見定め、その特性を文書化する
<ストーリー>
プロジェクトへの影響する不確実な事象・状態であるリスクを洗い出すとともに、リスクの兆しであるトリガーを認識する。 
→何を元にリスクを識別するのか(インプット):
プロジェクト計画のアウトプットからプロジェクト全体に影響するリスクの情報を得る。また、良い影響を与えるリスクなのか悪い影響を与えるリスクなのかリスクをリスク区分に仕分ける。過去の情報も活用する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
まずは、文書レビューを行う。次に、ブレーン・ストーミングやデルファイ法、インタビュー、SWOT分析といった情報収集技法を用いる。他には、迅速に簡単にリスクを洗い出すためにリスクをチェックリストに記載したり、リスクの前提となる前提条件の分析を実施したり、図解によってリスクを確認(図解の技法)したりする。
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3.定性的リスク分析
識別されたリスクの影響度とその起こり易さを評価するプロセス
<ストーリー>
識別されたリスクを組織で実施されている他のプロジェクトに対する相対的なリスク位置を確認するためにプロジェクトの総合リスク・ランキングを作り、識別されたリスクを優先順に並び替えたリスクの優先順位リストを作る。 
→何を元にリスクを定性的に分析するのか(インプット):
リスク識別のアウトプットである識別されたリスクに対して定性的分析を行う。定性的分析の方法については、リスク・マネジメント計画書に従う。また、リスクはプロジェクトの状況によって変化するのでプロジェクト状況も確認する。分析に当たっては、データ精度発生確率・影響度の尺度も確認する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
リスク発生確率・影響度の尺度を組み合わせたリスク等級マトリックスを用いる。また、データがリスクマネジメントにどの程度役立つかを見るためデータ精度の等級付けを行う。
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4.定量的リスク分析
プロジェクト全体のリスクの度合いとともに、個々のリスクの発生確率とプロジェクト目標に及ぼす結果を数量的に分析する
<ストーリー>
個々のリスクの影響度を定量的に評価し、その結果をもとに優先順位をつけた定量化したリスクの優先順位リストを作成する。 
→何を元にリスクを定量化するのか(インプット):
リスク識別のアウトプットである識別されたリスクに対して定量分析を行う。また、分析の順は、定性的リスク分析のリスクの優先順位リストを参考にする。定量化分析の方法については、リスク・マネジメント計画書を参照する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
ステークホルダーへのインタビューや、どのリスクが最も影響を与えるかを確認するための感度分析、期待値を算出するためのデシジョン・ツリー分析モンテカルロ法に代表されるシミュレーションを用いる。
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5.リスク対応計画
プロジェクト目標に対する好機を増やし、脅威を減らすための選択肢を立案し、その行動を決定する
<ストーリー>
リスクに対する対応策・対応方法をリスク対応計画書にまとめる。また、対応策が取られた後に残った残存リスク、対応策を実施した結果発生した二次リスクも確認する。 
→何を元にリスク対応計画書を作成するのか(インプット):
対象となるリスクは定性的リスク分析のアウトプットであるリスクの優先順位リストや、プロジェクトの総合リスク・ランキング定量的リスク分析のアウトプットである定量化したリスクの優先順位リスト、そしてそれぞれの分析のアウトプットである定性的・定量的リスク分析結果の傾向などを元に決める。また、リスク対応計画の責任者としてのリスク・オーナーの意見も取り入れる。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
プロジェクト計画を変更しリスクの影響を取り除く回避。保険のようにリスクの発生結果を対応責任ととも第三者に渡す転嫁。リスク事象の発生確率と影響度を受容できる限界値まで減らす軽減。プロジェクト計画を変更せず発生してから対応を考えたり(消極的受容)、あらかじめ決めておいたコンテンジェンシー計画を実施する(積極的受容)といった方法である受容
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6.リスクの監視・コントロール
識別されたリスクを追跡し、残存リスクや新しいリスクの特定を行い、リスク計画の確実な実行を企画し、リスク低減の効果を評価する
<ストーリー>
事前に識別しておらず新たに発生したリスクや受容したリスクに対し、リスク計画していない対応策をとるための計画として迂回策の計画を計画する。また、コンテンジェンシーや迂回策を実施するための是正処置、是正処置の結果プロジェクト計画の変更が発生した場合のプロジェクト変更要求、新たなリスクへの対応が発生したためリスク対応計画書を改訂するためリスク対応計画更新版、組織としてのリスク・マネジメントノウハウを蓄積するためのリスク・データベース
→何を元にリスクを監視・コントロールするのか(インプット):
実態が合っているかを監視するためのベースとなるリスク対応計画書、どのような観点でリスク対応監査を行うかはリスク・マネジメント計画書を参考にする。スコープが変更されると新たなリスクが発生する可能性もありスコープ変更にも注意する。当然、新たに出てきたリスクに対するマネジメントを行うため追加のリスク識別・分析も参照する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
リスクについてはプロジェクト全体と通して監視する必要があるため、定期的なプロジェクト・リスクの見直しを実施する。あた、コストのスケジュールの計画との差異を分析することもリスク存在を知る上で有効であるアーンド・バリュー分析を行う。


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<8回目:プロジェクト・調達・マネジメント>
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1.調達計画
製品やサービスをプロジェクト組織の外部から調達することで、どのプロジェクト・ニーズがもっともよく満たされるかを判断するプロセス
<ストーリー>
プロジェクト外部から製品やサービスを調達するための調達方法、契約形態を調達マネジメント計画書に纏める。また、調達する内容を作業範囲記述書(SOW)として記載しておく。
→何を調達方法・方針を決めるのか(インプット):
プロジェクトのニーズや目標を確認するためにスコープ記述書や、技術的課題や懸案事項を把握するために成果物記述書を参考にする。また、調達(契約)に関する専門家(調達に要する資源)にも聞く。市場から調達する場合には市場状況を把握しておく。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
内作で行うか外注するかを決めるため内外製分析を行う。また、契約については契約形態の選択を行う。
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2.引合計画
引合を行うのに必要な文書を作成すること
<ストーリー>
候補者からプロポーザルを提出してもらうため調達品の要求事項を提案依頼書(RFP)などの調達文書にまとめる。また、候補者を選択するための評価基準をあらかじめ作成しておく。 
→何を元に依頼書(調達文書)を作成するのか(インプット):
調達の方法は、調達マネジメント計画書にそって実施する。また、調達する内容は作業範囲記述書(SOW)を参照する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
調達文書の作成には、調達文書のひな形である標準様式を使う。
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3.引合
プロジェクトのニーズをどのように満たすかについて、納入候補から回答(入札書やプロポーザル)を得ること
<ストーリー>
調達文書に対する納入候補者からの回答としてプロポーザル(提案書、見積書)を得る。 
→何を元にプロポーザルを得るのか(インプット):
調達文書に対する回答なので調達文書。どの納入者候補者にするかは、適格納入者リストを参考にする。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
入札説明会入札広告で納入候補者に情報を伝えたり公開したりする。
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4.発注先選定,
入札書あるいはプロポーザルを受領し、評価基準を適用して納入者を選定する。
<ストーリー>
納入者を選定して契約を行う。 
→何を元に契約するのか(インプット):
納入者から提案されたプロポーザル(引合のアウトプット)を参照し、評価基準(引合い計画のアウトプット)や組織の方針を元にする。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
契約にあたっては事前に内容確認と合意を取るため契約交渉を行う。また、評価に当たっては重み付け法による点数付けや、スクリーング・システムによって足きり条件(最低条件)を設定する。また、発注者側も独自見積り(査定見積り)を行い妥当性をチェックする。
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5.契約管理
納入者のパフォーマンスが契約上の要求事項を確実に満たすようにするプロセス

  • <ストーリー>

契約に関して取り交わされる文書で納入者/購入者感の特定のコミュニケーションを記述する文書であるコレスポンデンスを作成し管理する。また、契約に変更があったか契約変更を管理し、支払い(支払要求)を行う。 
→何を元に契約管理を行うのか(インプット):
契約(発注先選定のアウトプット)にそって管理する。また、納入者の作業結果が契約通りかを管理し、契約条件に変更があれば変更要求を実施する。支払いについては納入者からの請求書を参照する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
契約変更については契約変更管理システムに従って実施する。また、実績報告をもとに状況を確認する。支払いについては、支払システムにそって実施する。
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6.契約完了
契約を完了し清算する。
<ストーリー>
契約に関する記録一式を契約ファイルとして保管する。また、納入者に対して契約の完了を文書で正式に通知し公式な受入れと終結を行う。 
→何を元に契約を完了させるのか(インプット):
契約に関するすべての文書である契約文書を参照する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
調達計画から契約管理までの体系的なレビューである調達監査を通じて行う。


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<9回目:プロジェクト・統合・マネジメント>
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1.プロジェクト計画策定
戦略計画を含む他の計画プロセスのアウトプットをもとにプロジェクト実施と、プロジェクト・コントロールの指針となる首尾一貫したプロジェクト計画書を作成すること。
<ストーリー>
プロジェクト実施のマネジメントに用いられる全体的な計画書であるプロジェクト計画書を作成する。 
→何を元にプロ計を作成するのか(インプット):
他の計画からのアウトプットを統合して作成する。また、過去の情報や、組織の方針、制約条件、前提条件も考慮する。
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
チームの指針となる体系的な計画技法であるプロジェクト計画法や、ステークホルダーもプロジェクトに貢献してもらうためステークホルダーのスキルと知識も活用、他は各プロセスのアウトプットを収集。統合するためにPMISを用いたり、EVMで実績を測定し対策を考える。
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2.プロジェクト計画の実行
プロジェクト計画を執行する主要プロジェクトであり、プロジェクト予算の大半がこのプロセスを行うことに費やされる。
<ストーリー>
プロジェクト計画を実行することで、プロジェクトで実施したアクティビティの結果である作業結果を出す。また、プロジェクト実行中に発生した変更要求を明らかにしていく。 
→何を元に作業結果を出すのか(インプット):
プロジェクト計画の実行は、(プロジェクト計画の策定のアウトプットである)プロジェクト計画書に基づいてプロジェクトを実施することで作業結果を出す。また、プロジェクト計画を実行するにあたっては、組織の方針を考慮するとともに、リスクに対する予防処置や、ベースラインとのズレに対しては是正処置を行う。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
リーダシップ、コミュニケーション、交渉、問題解決、組織への影響力などの一般的なマネジメントスキルや、成果物に対するスキルと知識の活用を必要(必要なスキルは資源計画で定義され、要員調達で調達される)。 また、プロジェクトへの各作業の着手は作業認可システムの公式な手続きによって実施される。手続きには組織の手続きも考慮する。情報交換のためには状況レビュー会議を定期開催し、情報の収集・統合にはPMISを用いる。
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3.統合変更管理
納得できる変更となるように変更をもたらす要因に働きかけたり、変更が発生したことを確定したり、変更の発生に際し実際の変更をマネジメントする。
<ストーリー>
プロジェクトの変更に対しベースラインに戻すための是正処置を行うとともに、このプロセスで得られたノウハウを教訓としてまとめる。また、発生した変更内容に従って、プロジェクト計画書更新版としてプロジェクト計画書を改訂する。 
→何を元に是正処置を行うのか(インプット):
変更のコントロールにあたってはプロジェクト計画書を参考にする。どのような変更要求(実績報告、プロジェクト計画の実行のアウトプット)があったかを実績報告書(実績報告のアウトプット)で確認する。 
→どのようにしてアウトプットを出すのか(ツールと技法):
プロジェクトの監視・評価方法や変更処理に関する手順を正式にまとめた変更管理システムに従って実施していくとともに、技術面・事務管理面での指示と監視を文書化した手順であるコンフィグレーション・マネジメントにも従って監視する。EV分析など実績と計画の差異を把握するために実績測定を行い、必要であれば追加の計画を考慮する。情報の収集・統合にはPMISを活用する。
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